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- 東京のヤミ市
-
- 価格
- 1,012円(本体920円+税)
- 発行年月
- 2019年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065171158
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[BOOKデータベースより]
ターミナル駅の焼け跡に人とモノが再び集まり、マーケットが生まれた。統制の目を逃れ暮らしを立て直そうとする熱気が、やみくもな「復興」を加速させる。露店では何が売られていたか。新橋の関東松田組、新宿の尾津組などのテキ屋は盛り場をいかに経営したか。呑み屋はどんな構造だったか。戦後東京の「原風景」を、生活する人々の目線で描き出す。
第1章 望遠レンズでみるヤミ市
[日販商品データベースより]第2章 覗きこむヤミ市
第3章 ヤミ市にひしめく人びと
第4章 ヤミ市料理のレシピ
第5章 太陽の下のヤミ市
第6章 新宿ヤミ市・夜のシナリオ
第7章 焼け跡再興のプロデューサー
第8章 ヤミ市の生活文化論
新宿、渋谷、新橋、池袋、上野……焼け跡となった街に、ふたたび人とモノがあつまり、立ち上げられたマーケット。「戦後東京」の原風景を形づくったと語られ、いまや歴史の中に霞みつつあるヤミ市とは、いったい何だったのか。
食べるものも着るものも「あるべきところにあるべきものがない」敗戦直後、人々は統制経済の網の目をかいくぐり、生きるための商いを、そこで営んだ。ゴザの上に芋を並べた露店は、やがて電気ガス水道をそなえた商店となり、カストリと焼き鳥の飲み屋ができ、ありとあらゆる雑貨が流れ込んでゆく。そうして日々の暮らしを立て直そうとする庶民たちの「復興」は、テキ屋たちのプロデュースにより加速され、巨大な盛り場を生み出していった。
丹念なフィールドワークにより都市生活文化の探究を続けてきた著者が、ヤミ市のリアルな姿を蘇らせる!
【本書の内容】
第一章 望遠レンズでみるヤミ市
バルーンに乗って一九四七年の東京探訪/新宿はヤミ市のターミナル/渋谷―エネルギッシュな三角地帯/新橋―巨大な呑み屋街/銀座・有楽町―ヤミ市のできない都心/上野広小路―アメ横の母体/池袋―ボランタリーチェーンの理想と現実
第二章 覗きこむヤミ市
ヤミ市建築の変化―ヨシズ・バラック・マーケット/ヤミ市の地域・建築設計―新宿/ヤミ市建築の豪華版―新橋「新生マーケット」/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ1―昼のマーケット/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ2―バラック長屋の飲食店街/ヤミ市の店舗建築とディスプレイ3―三階建ての夜の街/インフラストラクチャーの構築
第三章 ヤミ市にひしめく人びと
第一世代の出自/初期ヤミ市商人からの脱却/ヤミ市地下活動へ/ヤミのプロ商人/ヤミ市を生き抜く
第四章 ヤミ市料理のレシピ
「国際的なメニュー」の登場―配給では食べられない時代/洋食編/韓国・朝鮮料理編/和食編/中華料理編/ドリンク編/デザート編
第五章 太陽の下のヤミ市
ブティック/荒物屋/日用雑貨・化粧品屋/パチンコ屋/生鮮食料品店/電気器具店
第六章 新宿ヤミ市・夜のシナリオ
夜のマーケット・それぞれの風景/酒場の作法
第七章 焼け跡再興のプロデューサー
テキ屋と焼け跡商売/「組」型経営管理法/東京のカポネ/土地をめぐるヤミ市の論理
第八章 ヤミ市の生活文化論
ヤミ市文化の闇/ヤミ市の生んだ食文化/ヤミ市パチンコ屋を逆照射する/カラオケと軍歌の相似性/ヤミ市の時代を駆け抜けて
主要参考文献
ヤミ市年表
ヤミ市キーワード集