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ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、地元の名家出身の陶芸家が死亡。そこには、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ』という落書きが…。〈受賞情報〉江戸川乱歩賞(第61回)
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ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、地元の名家出身の陶芸家が死亡。そこには、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ』という落書きが…。〈受賞情報〉江戸川乱歩賞(第61回)
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ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、連続イタズラ事件が発生。現場には『生物の時間を始めます』といったメッセージが置かれていた。そして、地元の名家出身の陶芸家が死亡する。そこにも、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きが。イタズラ事件と陶芸家の殺人が同一犯という疑いが深まる。同じ頃、休業していた伏見のもとに仕事の依頼がある。かつて鳴川市で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラを任せたいという。十三年前、小学校の講堂で行われた教育界の重鎮・正木の講演の最中、教え子だった青年が客席から立ち上がり、小学生を含む300人の前で正木を刺殺。動機も背景も完全に黙秘したまま裁判で無期懲役となった。青年は判決に至る過程で一言、『これは道徳の問題なのです』とだけ語っていた。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていくが、「ジャーナリズム」と「モラル」の狭間で、伏見はそれぞれの事件の真相に迫っていく。