[BOOKデータベースより]
冬枯れの田んぼから、あらんかぎりの力で飛び立とうとするタヒバリを、ひたすらねらい、追いつづける「ぼく」。小動物たちの息づかいが、人間の生活のすぐかたわらで感じられたふるさと丹波篠山を舞台に、少年と動物の交流を生き生きとえがいています。「モル氏」「蛇わたり」「タヒバリ」など十編。小学校上級以上。
モル氏
裏薮の生き物たち
森と墓場の虫
水底の岩穴にひそむもの
蛇わたり
イタチ―落葉の精
クマネズミ
おばけ鮒と赤い灯
タヒバリ
魔魅動物園の死
さまざまな動物たちの息づかいが人間の生活のすぐ傍らに感じられた丹波篠山。その豊かな自然の中でくりひろげられた少年と動物たちとの交流を、生き生きと描き出した珠玉の短編集。
私は昔からサルに関心がありました。私は大阪府茨木市に住んでいますが、隣の箕面山のサル生息地は天然記念物に指定されています。だから河合雅雄さんの霊長類研究には何年も前からひじょうに興味を持っていたのです。5月14日にお亡くなりになられました。河合雅雄さんのご冥福をお祈り申し上げます。少年動物誌は何年も前に読ませて頂きましたが、あらためてこの本を読んで、とても感動しました。これはひじょうに優しい目で動物を見ておられるからです。河合雅雄さんは日本の霊長類研究の第一人者でモンキー博士と親しまれていました。この本を読みながら、河合雅雄さんの穏やかな人柄を思い出すと胸が熱くなります。(水口栄一さん 60代・大阪府 )
【情報提供・絵本ナビ】