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[日販商品データベースより]
長年にわたる脱原発に向けた数々の取り組みやリニア中央新幹線への考察を通して、著者は、戦前戦中戦後をつらぬくこの国の構造のあり方に注目してきた。それは戦前には総力戦や国家総動員に向けて、軍部と官僚と財閥資本が一体となって構築されたファシズム形態であるが、このファシズムは天皇を頂点とした前近代的で精神的なものというより、近代の科学技術を駆使して重工業化、電力国家管理に邁進したテクノファシズムとでもいうべきものであった。
戦後になり軍部はなくなったものの、戦前のテクノファシズムを主に担った商工省は通産省や経産省になり、三菱重工業はじめ戦前からある軍需産業は、技術や装備、地所などをほぼ残したまま、自動車、電化、化学工業や原発はじめ国家と一体となった事業を新たに担い、当時の「対外戦闘力」は「対外競争力」となって、現在にいたっている。
第一次世界大戦が科学技術を駆使した総力戦であることを知った日本がその後突き進んだ重工業化、電力化の道を、軍部・政官界・企業人などの当時の史料や、数々の研究書の渉猟をとおして詳細に描き、われわれがいまを生きている21世紀のこの国の構造がつくられていく過程を徹底的に追跡する。