この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 子どもの「学ぶ権利説」の提唱
-
価格:3,080円(本体2,800円+税)
【2026年08月発売】
- 期待より、希望を持とう。
-
価格:1,485円(本体1,350円+税)
【2022年12月発売】
- 眠れなくなるほど面白い哲学の話
-
価格:1,540円(本体1,400円+税)
【2020年04月発売】
- 「生活のアスリート」になろう。
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2022年11月発売】
- ソフトウェア工学 改訂版
-
価格:3,630円(本体3,300円+税)
【2025年03月発売】

























[日販商品データベースより]
体系化された学問は,基礎を確実に身につけるうえで大切であり,そのために多くの優れた教科書が書かれ,講義の方法も整えられてきました。一方,身につけた知識を応用し,工夫し,既存の枠組みを越えて新しい考え方や体系を組み立てていく学びには,従来の教育方法に加えて,別の工夫も必要になります。PBL(課題解決型学習)やSTEAM教育は,こうした学びを促す有力な取り組みですが,単なる調べ学習や自由研究に終わらせないためには,課題に取り組む過程に意図的な学習目標を組み込むことが必要とされます。
卒業研究や修士論文研究は,このような学びを高い水準で実現しやすい教育の一例とみなすことができます。指導する側が,自らの研究を通して培った知識や経験を踏まえて学習目標を設定し,要所で学習者の状況に応じたきめ細かな支援や助言を行うことができるからです。しかし,こうした支援を前提としない状況では,基礎的な体系を十分に理解していても,それを応用し,工夫し,自立して問題に取り組めるとは限りません。また,技術の進歩や社会からの要請が急速に変化する現在では,長い経験の蓄積やOJTを通して徐々に身につける方法だけで,こうした力を養うことにも難しさがあります。
本書は,機械工学の基礎科目を一通り学んだ理工系大学の学部高学年以降の読者を想定し,「数理モデリングと現象解析」を,いわば基礎科目を横断する課題として設定しています。既習の知識を応用し,組み合わせ,工夫しながら,現象から何を取り出してモデル化し,そのモデルから何を読み取るかを考える過程で,読者自身の気づきを促すことを目指しています。同時に,「偏微分方程式の基礎」と「数値計算・計算機シミュレーションの基礎」の習得を意図的な学習目標として組み込み,これらを機械工学の具体的な問題との関わりのなかで自然に学べるよう構成しています。
知識を応用して新たな問題を捉えるための方法を単純な手順として示すことには限界もあるため,個々の専門分野を深く掘り下げることよりも,分野を横断して現象を俯瞰し,何を知りたいのか,どこまで知りたいのか,得られた結果をどのように解釈するのかを考えることを重視しています。数理モデリングや現象解析そのものを学びたい読者はもちろん,偏微分方程式や数値計算・計算機シミュレーションを教育課程に取り入れている大学の授業にも活用できます。
また,本書のコラム「コーヒーブレイク」として構想していた内容の一部をもとに,読み物『力学をつくる眼 ― 数理モデリングと現象解析から読む応用力学小史 ―』を準備しました。新しい問題を捉え,理論を組み立てるための決まった道筋があるわけではありません。しかし,今日では完成された体系として学ぶ理論も,先人たちが現象と向き合い,何を取り出してモデルとし,そこから何を読み取るかを試行錯誤するなかで形づくられてきました。この読み物では,その過程をたどることによって,数理モデリングと現象解析を学ぶための一つの手掛かりを示しています。本書とあわせてご活用ください。