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[日販商品データベースより]
世界を動かす「イスラーム」の正体は、一つではない。
19世紀後半から始まった近代的グローバリゼーションは、伝統的なイスラームを解体し、国境を越えて競合する無数の「グローバル・イスラーム」を生み出した。通信と組織のメカニズムから読み解く、全く新しい宗教史。
宗教のグローバリゼーションは、必然的に変容をともなう。しかし、これから論じるように、グローバリゼーションは単一で統合されたイスラームをもたらしたわけではなかった。そうではなく、グローバリゼーションによって、政治的なものも非政治的なものも含め、様々な信仰のあり方バージョンが出現し、拡がりを持つようになったのである。これがどのように起こったのかを知るために、本書では、一八七〇年頃からの近代的グローバリゼーションと並行して生じた、個人の活動家から組織、そしてついには国家に至るグローバル・イスラームの起源、拡大、そして勢いを増す多様化の過程をたどることにする。そうすることで、グローバル・イスラームがどこから来たのかという一見非常に素朴な問いに答えることができる。私たちが結果として目にするのは、単一のイスラームの「文明のブロック」がかたまってゆく様子ではなく、信仰の形態が変容し、競合することによって、より複雑な万華鏡を形づくっているさまである。
(「序論」より)
第1章 グローバル・イスラームとは何か
定義をめぐる問い/「複数のイスラーム」を説明する/全体像の概要
第2章 帝国、蒸気、印刷の時代のイスラーム
オスマン帝国のイスラーム団結運動/イスラーム・リベラリズムの帝国ネットワーク/ロシアからイスラーム改革を輸出する/サラフィー主義の形成/シーア派のグローバリゼーション/インド洋の遍歴するスーフィーたち/東南アジアと中国を結ぶ/インドの救世主的な宣教団/二つの政治的キャンペーンの失敗
第3章 世俗的な世界秩序からイスラームを守る
エジプトのサラフィー主義の輸出/スエズ運河とムスリム同胞団/インドのマドラサが生んだ宣教組織/西洋に適応させたスーフィズム/会議体の集団的な力/大戦間期のシーア派の国際主義/第二次世界大戦後の世界/ムスリムの国際連合/サウジアラビアの優位の確立/清浄な国からの宣教/革命を呼びかける機動的前衛/ 亡命下のムスリム同胞団員/スンナ派からシーア派の革命家へ/スーフィーの非政治的オルタナティブ
第4章 イスラーム革命からインターネットへ
サウジアラビアのサラフィー主義の石油ブーム/神なき社会主義へのジハード/反社会主義のジハードから反帝国主義の革命へ/伝統主義的シーア派の国境を越えた反応/アフリカにおけるイスラームの争奪戦/パキスタン系宣