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[BOOKデータベースより]
原発事故による広範囲におよぶ森林の放射能汚染は、農林業のあり方にどのような影響を与えたのか―。里山空間の多様性、循環性、持続性を示す存在である広葉樹を用いた原木しいたけ生産の現場の声を拾い、絶望的状況での筆舌に尽くしがたい苦闘を見つめ、不可視化されてきた深刻な被害の諸相を明らかにする。
序章 なぜ原木しいたけに着目するのか―研究の背景と本書の目的
[日販商品データベースより]第1章 放射性降下物は樹体内をどのように動いたか―宇都宮大学農学部船生演習林にみるコラナと原木しいたけへの影響
第2章 放射性降下物は森林内をどのように動いたか
第3章 北関東(栃木県)にみる原木しいたけ生産の変容―中・低線量地帯の一〇年
第4章 東北(岩手県)におけるしいたけ原木流通の変化―原発事故の「視えざる影響」
第5章 激甚被害地(福島県)におけるしいたけ生産の変化と対応
第6章 九州から栃木県へのしいたけ原木の供給―原発事故が九州の産地に与えた影響
終章 福島原発事故後の広葉樹利用と森林管理
原発事故による広範囲におよぶ森林の放射能汚染は、農林業のあり方にどのような影響を与えたのか〓〓。
里山空間の多様性、循環性、持続性を示す存在である広葉樹を用いた原木しいたけ生産。その現場の声を拾い、絶望的状況での筆舌に尽くしがたい苦闘を見つめ、不可視化されてきた深刻な被害の諸相を明らかにする。
〈本書は、2011年を基点に、福島県、隣県の栃木県、さらに東北、九州の広葉樹林を舞台に何が起こっていたのかを、主に原木しいたけを題材として明らかにする。
各章の執筆者がそれぞれの立場で向かい合ったのは、いずれも激甚災害による大きな傷を負った現場、その余波を受け変容を迫られた社会である。
原木しいたけの生産と広葉樹林の利用・管理は、原発事故によってどのような影響を受け、どのように変容したのか。また、原木を遠隔地から調達するという事態は、その地域の素材生産・流通にどのような影響を及ぼしたのか〓〓。〉
〈しいたけほだ木用の原木は広葉樹林のクヌギ、コナラが主に利用され、しいたけとその原木の生産は里山空間の多様性、持続性を示す指標ともなってきた。
かつて農山村の暮らしの一部として欠かせない存在であった里山と人々との間に繰り広げられた多くの関係が失われた後、数少ない両者の「対話」の一つとして消費社会に確固たる位置を得て残されてきたのが、原木しいたけ生産なのである。……編者〉