- 自由民権運動期におけるヨーロッパ思想と儒学
-
接触、交流、翻訳
二松学舎大学東アジア学術総合研究所日本漢学研究センター日本漢学研究叢刊 5
- 価格
- 8,800円(本体8,000円+税)
- 発行年月
- 2026年03月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784762937033
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[日販商品データベースより]
【まえがき より】(抜粋)
本書は、近代日本における漢学思想の歴史を、漢学塾以来の伝統を継承してきた二松学舎大学と、フランスの日本思想史研究者の協力のもとでexplorer(探求)する新しいステップを示すものと言える。
今回、ヨーロッパと日本の間に行われた思想的流行を具体的に計測するに当たって、まず「概念」に着目した。基本的に漢学・儒教思想によって育った明治知識人たちが、ヨーロッパの政治哲学を発見し、更にその概念を翻訳するにいたったが、その翻訳は漢字語であったために、日本国内で使用されるだけにとどまらず、広く東アジア圏にも浸透した。その浸透については別に検討する必要があるけれども、本書において、民権運動期を中心に明治時代を取りあげる理由はここにある。
また、思想的流行を分析するには、最近フランスやヨーロッパで発展してきた「転移」(Transfert culturel)という歴史学の研究方法が有効と考えられることから、本書でも様々な事例を取りあげている。「転移」史学から見れば、思想的流行において一番問題になるのは翻訳そのものであるが、ある概念がどのように翻訳されたかということをめぐって、翻訳者自身の諸条件からはじまり、翻訳のコンテクストをめぐる諸要素を検討することまでが研究対象となるのである。明治時代前期までに教育を受けた知識人たちにとって、漢学教育からの影響が多かれ少なかれ認められるにせよ、皆が漢学に対して同様の態度を示したわけではないし、各自の政治的あるいは宗教的目的に応じたかたちで、さまざまな「転移」のあり方が見いだされるに違いないはずだからである。