- 地中海世界の歴史 7
-
講談社選書メチエ 807
平和と繁栄の宿命 パクス・ローマーナ
- 価格
- 2,420円(本体2,200円+税)
- 発行年月
- 2025年08月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784065404973
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[BOOKデータベースより]
ネロ帝没後の混乱を収拾したウェスパシアヌス帝のもとでローマ帝国は安定を取り戻し、コロッセオの建設が始まる。五賢帝時代のトラヤヌス帝は帝国最大の版図を実現し、「旅する皇帝」ハドリアヌスは属州各地にその威光を示すが、哲人皇帝マルクス・アウレリウスは治世の最後に過ちをおかす。剣闘士と戦車競走に熱狂しながら漠然とした不安にとらわれ、イシス信仰やミトラス教、キリスト教に救済を求める人々。「人類が最も幸福だった時代」の社会と心性を掘り下げる。
第一章 新興家系の皇帝たち(気取らない男、ウェスパシアヌス;プリニウス『博物誌』の視野;皇帝となった兄弟の明暗;奴隷と捨て子の社会史)
[日販商品データベースより]第二章 比類なき賢帝と最大の過ち(「至福の時代」の五人;哲人の実子の乱行;大浴場と愚帝の時代)
第三章 薄闇に生きる人々の願望(「パンとサーカス」の恩恵と栄誉;ポンペイを彩る神々;ローマ人とユダヤ人の信仰;キリスト教の登場)
第四章 「旅する皇帝」と辺境のローマ(「属州」とはなにか;ガリアからブリタニアへ;属州とヒスパニアの歴史;スペインのローマ遺跡を歩く;シリア、ギリシア、エジプトへ)
一人の歴史家の視点で古代地中海文明の4000年を描く全8巻シリーズ、好評第7巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。
暴君ネロの没後、混乱を収拾して帝位についたウェスパシアヌスは、平凡な家柄の武骨な軍人だったが、元老院とたくみに折り合う節約家で、権力も国家財政も安定を取り戻し、ローマの巨大闘技場コロッセオの建設にも着手した。しかし息子のドミティアヌス帝は恐怖政治の果てに暗殺され、悪帝の評価を残す。
次のネルウァ帝に始まる80年こそ、18世紀の歴史家・ギボンが「人類至福の時代」と称賛した「五賢帝時代」である。2人目のトラヤヌス帝は帝国史上最大の版図を実現し、3人目のハドリアヌス帝はブリテン島からイベリア半島、アフリカ、シリアまで帝国内を旅して皇帝の威光を示した。しかし、5人目のマルクス・アウレリウス帝は『自省録』(講談社学術文庫)を著した「哲人皇帝」として知られるが、治世の最後に大きな過ちをおかしてしまう。
また、「ローマの平和(パクス・ローマーナ)」の陰には不安な薄闇が広がっていた。人々は「パンとサーカス」に浮かれながらも漠然とした罪障感にとらわれ、ヘレニズムの波のなかに生まれたイシス信仰やミトラス教、そしてキリスト教などの宗教に救済を願い始める。
さらに、プリニウスの『博物誌』の世界、奴隷制社会の「捨て子問題」、スペインのローマ遺跡探訪など、爛熟期のローマ社会を多角的に描く。
はじめに:あるイギリス人がみたローマ帝国
第一章 新興家系の皇帝たち
1 気取らない男、ウェスパシアヌス
2 プリニウス『博物誌』の視野
3 皇帝となった兄弟の明暗
4 奴隷と捨て子の社会史
第二章 比類なき賢帝と最大の過ち
1 「至福の時代」の五人
2 哲人の実子の乱行
3 大浴場と愚帝の時代
第三章 薄闇に生きる人々の願望
1 「パンとサーカス」の恩恵と栄誉
2 ポンペイを彩る神々
3 ローマ人とユダヤ人の信仰
4 キリスト教の登場
第四章 「旅する皇帝」と辺境のローマ
1 「属州」とは何か
2 ガリアからブリタニアへ
3 属州ヒスパニアの歴史
4 スペインのローマ遺跡を歩く
5 シリア、ギリシア、エジプトへ
おわりに:ローマ史とアメリカ史の交差点
参考文献
索引