- 実体概念と関数概念 新装版
-
認識批判の基本的諸問題の研究
- 価格
- 7,040円(本体6,400円+税)
- 発行年月
- 2025年06月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784622097921
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[BOOKデータベースより]
〈本書に収められた研究は、もともとは数学の哲学のための研究によって促されたものである。論理学の側から数学の基礎概念への橋渡しを得ようと試みたさいに、何はさておき、「概念機能それ自身」をさらに詳細に切開しその前提にまでさかのぼることが必要となった。しかしそこですぐさま、ある特有の困難に直面した。つまり、概念についての伝統的な論理学の学説は、そのよく知られた基本的特性においては、数学の原理論がもたらす問題を単に遺漏なく「言い表わすこと」さえおぼつかないことが判明したのである。〉ドイツの哲学者カッシーラーによる『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』に結実する著作のなかで、その哲学の出発点とも言うべき書。プラトン、アリストテレス、ライプニッツ、ケプラー、ガリレイ、ニュートンほかをたどり、数学的・自然科学的思惟構造の形成過程を、「実体概念」から「関数概念」への発展として跡づけ、近代科学の認識論的基礎づけを試みる。
第一部 事物概念と関係概念(概念形成の理論によせて;数の概念;空間概念と幾何学;自然科学的概念形成)
[日販商品データベースより]第二部 関係概念の体系と現実の問題(帰納の問題によせて;現実の概念;関係概念の主観性と客観性;関係の心理学によせて)
近代科学と哲学の歴史的・実証的研究にすぐれた業績を残したエルンスト・カッシーラーの名は、すでに十指に余る邦訳者の刊行によってわが国でも広く知られている。しかし、近代科学の認識批判から出発したその独自の哲学体系の中軸をなす主要な著作は必ずしも十全に紹介されてきたとは言いがたい。本書『実体概念と関数概念』は、『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へと結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作である。昭和初年の抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。
カッシーラーの本領は科学史研究にあると言える。ケプラー、ガリレイからニュートン、19世紀の物理学者からアインシュタインまでを物理学史、思想史の両面において生き生きとよみがえらせうる哲学者としてカッシーラーは他の追随を許さない。その意味で、数学的・自然科学的思惟構造の形成過程を〈実体概念〉から〈関数概念〉への発展として跡づけ、近代科学の認識論的基礎づけを試みた本書は、カッシーラーならではの先駆的業績である。
近年、科学の認識批判が問題視されるなかで、カッシーラーの主要著作は根本的な見直しを迫られている。本書の英訳普及版(1953年)が版を重ねる一方、原著復刻版(1966、1976年)、仏訳版(1977年)があいついで出版されるなど、本書は新しい視点からの注目を集めている。