この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ふと口ずさみたくなる 日本の名詩
-
価格:924円(本体840円+税)
【2025年02月発売】
- 雪の名前
-
価格:2,860円(本体2,600円+税)
【2024年12月発売】
- 鈴木六林男の百句
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2023年10月発売】
- 写真の中の君は何を見ている
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2020年03月発売】
- いいんだよ
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2008年04月発売】
[BOOKデータベースより]
1(戦争・季語・群作 六林男への序奏;持続と断念 六林男の戦争俳句 ほか)
[日販商品データベースより]2(暗闇の眼玉;死後からの眼差し ほか)
3(道化と戦争 戦場俳句再考;鉛筆と肉体 ほか)
4(小野十三郎と鈴木六林男;〈モノ〉とリアリズム)
◆六林男俳句の新しさ
鈴木六林男は戦場の砲弾の破片を体内に留めたまま「戦後」を生きた。その静謐な抒情、苛烈なリアリズムと社会批判、そして独自の「群作」と「季語情況論」―戦後俳句に鋭い異和として屹立しつづけた六林男俳句の可能性が、あらたな「戦前」かもしれぬ現在にあざやかに立ち上がる。
(井口時男)
◆
本書は、鈴木六林男について二十年余りにわたり書きつづけてきた文章をまとめたものである。そのサブタイトルに「六林男を巡る」と記したのは、論稿ばかりでなくエッセイのような文章も配しているため、鈴木六林男という表現者をめぐって、たとえば遊歩(ベンヤミン)するようにどこからでも読んでいただければとの想いから付けたものである。
(略)六林男を戦争俳句という範疇において、その評価を定説化しようとすると、はみ出してしまうものがある。あるいは、戦後の社会性俳句という状況において捉え返そうとすると、やはり違和感の方が優ってしまう。そんな六林男評価に付きまとう〈余剰〉や〈異和〉を、彼自身の句作行為の単独性として取り出してみること、そして〈戦後俳句〉と呼ばれるひとつの可能性の中心として考えてみることが、本書全体を通底するテーマであった。(著者)