[BOOKデータベースより]
序論―本書の問題意識と研究課題―
第一章 日本近代化と幕末期洋学の新展開―西洋軍事科学の拡大と実力主義の人材登用―(「幕末期洋学」の時代概念をめぐる問題;幕末期洋学の軍事科学化による武士の大量参入;幕府諸藩における洋学学習者の人材登用)
第二章 佐久間象山の思想と行動―「東洋道徳・西洋芸術」思想の形成と展開―(朱子学者象山の幼少期における思想基盤の形成過程;江戸遊学期における思想基盤の確立;アヘン戦争を機に西洋先進世界への開眼;「東洋道徳・西洋芸術」思想の社会的展開;蟄居中における洋学研究と教育活動;おわりに―「東洋道徳・西洋芸術」思想の過去と現在)
第三章 「東洋道徳・西洋芸術」思想の構造と特質―佐久間象山の東西学術を統合した思想世界―(朱子学の説く「理」の意味とその普遍性;「格物窮理」を根本原理とする特異な朱子学理解;「東洋道徳・西洋芸術」思想と東西両洋の数学の比較;「天人合一」の武士道精神の具現化―国家への忠誠と奉公;おわりに―「東洋道徳・西洋芸術」思想の構造と特徴)
補論(1)墳原卜伝流免許皆伝「諭示」の全文とその思想的特徴―象山の思想基盤の形成要因としての父親の文武両道の教育―
補論(2)「妾」に嗣子誕生を切願した象山の女性観―幕末期の武家社会における「妾」の存在意義―
補論(3)象山の横浜開港の論理と行動―「東洋道徳・西洋芸術」思想の展開―
結語―「東洋道徳・西洋芸術」思想の過去・現在・未来―
明治以降、多様な分野から研究対象とされ、さまざまな理解と評価をされてきた佐久間象山。膨大で難解な象山史料『象山全集』(全五巻)を丹念に分析して、従来の象山研究による人物像を検証し再構築。象山の基本思想「東洋道徳・西洋芸術」の形成と展開の過程を辿りながら、現代に繋がる開明的な思想の本質を鮮やかに読み解く画期的な幕末思想史研究。
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