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[BOOKデータベースより]
こころの雨は突然降り出す。ケアは急にはじまってしまう。家庭で、職場で、誰かをケアするあなたへ。雨の日には傘を差すように、心理学を役に立ててもらえたら。臨床心理士が贈る5日間のやさしい授業。
1日目 こころのケアとはなんだろうか―雪だるまを溶かさない
[日販商品データベースより]2日目 こころをわかるとはどういうことだろうか―既読スルーを思いやる
3日目 こころはどうしたらきけるのか―ゼリーをやりとりする技術
4日目 こころはなにをすれば助かるのか―余計なお世話と助かるおせっかい
5日目 ケアする人をケアするもの―つらいとき、たのしいとき
もっと勉強したい人のためのブックガイド
――
こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。
同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。
ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘を差すように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
――(まえがきより)