- ショローの女
-
- 価格
- 858円(本体780円+税)
- 発行年月
- 2024年06月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784122075245
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- アワヨンべは大丈夫
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2024年11月発売】
- 存在の耐えられない愛おしさ
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2024年06月発売】
- Over the Moon〜わたしの人生の小さな物語
-
価格:2,420円(本体2,200円+税)
【2023年12月発売】
[BOOKデータベースより]
カリフォルニアから拠点を移し、新しい生活が始まった。熊本の自宅から週一回早稲田へ通勤、学生たちと向き合う日々は多忙を極める。研究室には寝袋、家に待つのは愛犬と植物八十鉢。そこへ加わる仔猫が二匹。台風、コロナも襲い来て―。加齢の実状、ハマるあれこれ、初めて得た自由と一人の寂しさ。六十代もいよいよ中盤へ。“あたしの今”が熱い共感を集める実体感エッセイ。
皺の手でちぎるこんにゃく盆の入り
[日販商品データベースより]もういうなわかっておるわ「暑い」だろう
しみつきのマットレス敷く露の秋
バンビロコウ水面にうつる月の影
晩夏過ぎて顔も体もしぼみけり
身に沁むはWhatsAppかSkypeか
細道をたどりたどりてきのこ粥
くすり湯に入ってぽかぽかあったまる
白和えやほうれんそうが入って春
人は死にヨモギは残る荒野かな
春一番のぼり階段浜松町
絶望の大安売りだいもってけドロボー
ボヘミアンラプソディして桜かな
クレイマーあたしといたいかクレイマー
鍵盤にさわらぬままで春の風
うはははと山笑うわねそうだわね
青梅をもぐ母ありて娘あり
夏野原ゆめゆめ右折はするまじく
梅雨だくやしょうゆの味はママの味
梅雨明けや海を挟んで長電話〔ほか〕
新しい生活が始まった。
熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、
愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。
ハマる事象、加齢の実状、
一人の寂しさ、そして、自由。
老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。
熱く共感を集めて大好評の
『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く
〈伊藤比呂美の今〉
週一で早稲田に通勤 こんやくにハマる 熱中症になりかける 鉢植えをどんどん買う 靴が合わない ズンバに行かない 父の寂しさを思う 食べるのがめんどくさい 入浴剤に凝る サンディエゴに帰る オヤジたちに絶望する 『ボヘミアン・ラプソディ』礼讃 高齢者の運転を考える しょうゆ味に回帰 仔猫を拾う LINVEがおもしろすぎる 甘くない食パンが食べたい 姿勢が悪い 不安がひたひたと沁みてくる ロボット掃除機を購入 友人にマスクを送る 空港への道を忘れた 車を買う びんのふたが開けられない 学生とオンライン飲み会 母のコートを着る 譲渡犬のサイトを見る…………本書のエピソードより