[BOOKデータベースより]
不朽の名著が、あなたの「生きる力」になる。世の中には、自分の力だけではどうにもできないことがあります。自分を離れた客観的な見方や自分ではない別の力にまかせることで、心の重荷がとれ、生きる気力をわかせてくれます。『歎異抄』には、そんな教えを説いた素晴らしい言葉がたくさん盛り込まれています。
序 異なることを嘆く(ひそかに愚案を回らして)
第1条 信じて念仏すれば、必ず救われる(弥陀の誓願不思議に)
第2条 念仏以外に往生の道を知らず(おのおのの十余箇国の)
第3条 悪人ほど往生するのにふさわしい(善人なほもって往生をとぐ)
第4条 大いなる慈悲の心(慈悲に聖道・浄土のかはりめあり)
第5条 父母の供養のために念仏せず(親鸞は父母の孝養のためとて)
第6条 他力に任せることで、おのずから仏恩(仏の恩)を知る(専修念仏のともがらの)
第7条 念仏する者は、何にも妨げられない(念仏者は無礙の一道なり)
第8条 念仏は修行でも善行でもない(念仏は行者のために)
第9条 煩悩ゆえに往生は間違いない(念仏申し候へども)
第10条 念仏は自力を超えた不思議なもの(念仏には無義をもって義とす)
第11条 自分のために念仏する人も浄土で往生できる(一文不通のともがら)
第12条 念仏を唱えるのに学問は必要ない(経釈をよみ学せざるともがら)
今から約700年ほど前の宗教書である『歎異抄』が、現代の人々に読み続けられ、今も人気があるのはなぜでしょうか。
親鸞が生きた時代は、戦乱の世の中で、病気や飢餓、大地震などの厄災が多い時代でした。
そのような時代の中で生きる人々は、少しでも安心して生きる道を求めていました。そうした中で説かれた親鸞の教えは、「念仏さえ唱えていれば、誰でも極楽浄土で往生して悟りをひらくことができる」という「他力」によるものでした。
ここ数年、世間では「自分軸で生きよう」という生き方の提案が多くなりました。自分軸とは、「自分はこうありたいという考えのもと行動すること」です。
その考え方自体は素晴らしいことですが、世の中には自分の力や思いだけではどうにもならないこともあります。
「他力」とは、これまで「人まかせ」「運まかせ」といった、やや無責任なことだと思われがちでしたが、これは自分の力ではどうにもならない、力の足りない自分から離れて、もっと大きなものにまかせている、という心の在り方です。
ある意味、客観的な見方によって、自分ではない別の大きな力にまかせるようにすると、心の重荷がとれる思いがします。
『歎異抄』で伝えている他力の教えは、決して投げやりで他人まかせではなく、自分の力ではどうにもならない状況で、しなやかに生きる心のあり方を説いています。
現代の人たちを惹きつける『歎異抄』を読む意味は、まさにそこにあると思うのです。
本書は原文の前半の全文と、その訳、そして『歎異抄』の内容をより理解して生かすためのアドバイスをつけています。
さらには、実際に自分で、声に出して読むこと(音読)、書き写すこと(なぞり書き)などで、言葉が身と心に沁み込んでいきます。ぜひ『歎異抄』の教えが、みなさんの生活に役立つことを願っています。
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