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- 「ひと」とはだれか?
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身体・セクシュアリティ・暴力
〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第1巻
- 価格
- 2,640円(本体2,400円+税)
- 発行年月
- 2024年02月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784872597776
[BOOKデータベースより]
ジェンダー視点でみる新しい世界史。歴史を形成してきた「ひと」とは何か。歴史にあらわれる男性性とLGBT「近代市民」モデルを問い直す!
第1章 身体と「ひと」(概論「ヒト」と「人格」;身体の語られ方;伝統社会における「男らしさ」;近代国家の市民権と男性性;さまざまな「らしさ」;「ひと」の分類・差異化・権利保障)
第2章 生殖と生命(概論 生殖と生命;「産むべき身体」と「生まれるべき生命」;リプロダクティブライツ;生殖革命と生殖補助医療;人口と家族)
第3章 セクシュアリティと性愛(概論 セクシュアリティ規範とその変化;セクシュアリティと性愛・結婚;LGBT/SOGI;歴史のなかの「性の多様性」;男性同性愛と政治)
第4章 身体管理と身体表現(概論 身体管理と身体表現;身体管理と「健康」;「病い」と「障害」;服飾と化粧;身体描写と身体表現)
第5章 性暴力と性売買(概論 性暴力と性売買;性暴力の歴史;買売春)
ジェンダー視点で見る新しい世界史通史
歴史を形成してきた「ひと」とは何か。「近代市民」モデルを問い直す!
この世界に生きる「ひと」は年齢・身体的特徴・性自認・性的指向等、多様な属性を持つ存在であるが、国家や社会はしばしば「ひと」を単純化し、望ましい役割や振る舞いを割り当てる。とりわけジェンダーは「ひと」の定義の根幹にかかわる存在である。本巻では「ひと」の生にジェンダーがいかに作用しているのかを、「身体・ひと」「生殖・生命」「セクシュアリティ・性愛」「身体管理・身体表現」「性暴力・性売買」の各領域について歴史的視座から検討し、その構造を考察する。
第1章では、各文化における身体・生命観を問い、社会的規範としての「らしさ」がいかに構築されるのか、「ひと」がいかに分類され、差異化されたのかを比較史的に明らかにする。
第2章では、産む身体としての女性身体、産まれる子の生命、人口政策・人口動態を論じる。
第3章では、歴史上の多様な性愛・結婚の在り方を確認し、LGBTQの人びとの在り方をめぐる比較史に焦点をあてる。
第4章では、「健康」の文化性、身体描写や身体表現のジェンダーバイアスを検討する。
第5章では、性暴力の歴史と買売春の比較文化を叙述する。
■本シリーズの特徴
世界史通史としての本シリーズの特徴は、「国家や政治・外交・経済」といった「大きな物語」を中心に記述するのではなく、等身大の「ひと」を中心に据え、それを取り巻く家族や共同体、グローバル経済や植民地主義といったテーマに段階的に踏み込んでいくという構成にある。
近代歴史学の根底にある近代市民社会モデルは、暗黙の裡に「健康で自律的な成年男性」をその主たる担い手と見なしていたが、それは一方で女性や社会的弱者を歴史から排除することにもつながっている。本シリーズでは、単に歴史の各トピックについて、ジェンダー史の知見を紹介するのみにとどまらず、「ひと」はそもそも「ケアしケアされる存在」である、という認識に立って、世界史の叙述そのものを刷新することを目指している。
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