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汲古書院 奥田俊博
点
序章 風土記の文字表現―書くことと読むことをめぐる序説として第1章 地名説明記事と地名―『播磨国風土記』を中心に第2章 『播磨国風土記』の表記―文体との関わり第3章 『播磨国風土記』の漢語表現第4章 『常陸国風土記』の漢語表現第5章 『豊後国風土記』の漢語表現第6章 『肥前国風土記』の漢語表現第7章 『出雲国風土記』の漢語表現―『文選』の受容をめぐって第8章 風土記の文体と表記第9章 風土記と公文―「史籍」としての風土記終章 公文から古典へ―「史籍」としての文字表現
【「本書の目的と構成」より】(抜粋) 本書は、『常陸国風土記』『播磨国風土記』『出雲国風土記』『豊後国風土記』『肥前国風土記』の五国の風土記を対象にして、主に文字表現の検討を通して、風土記の表現の性質、および、風土記という文献資料の性質を明確にしようとするものである。 本書の「文字表現」とは、字体・字形といった文字の視覚的な側面、表記の用法・方法等といった文字の運用的な側面、および字義の捨象・拡張・付与や比喩的な転換も含む文字の意味的な側面を、より一般的に捉えた表現を指す。文字を用いて表現しようとする希求と、文字を用いて表現したものへの認識、これらの心的様態は、表現としての希求、表現としてあるものへの認識として位置付けられる。本書では、このような心的様態を、伝本資料の文学的な表現にのみ適用するのではなく、公文や荷札といった日常的な業務に用いられる文書における漢字の使用にまで適用しようとするものである。 近年の風土記の研究は、風土記を文学の観点から捉えようとする研究が少なくない。風土記を文学的観点から捉えようとすること、また、風土記を「豊かな文学性をもった書物」「文学作品」「文学書」と位置付けることの前提には、現在における風土記という文献に対する研究の姿勢が関係する。本書も、風土記を対象にした分析の方法を、国語国文学の研究方法に依拠している点で、五国の風土記を文学の観点から捉えようとしている。ただし、風土記が成立した当時において、風土記が文献としてどのように位置付けられていたか、という点については、改めて考えてみる必要性があるのではなかろうか。 風土記の文字表現について検討・考察するにあたって、まず重視したいのは、伝本資料として残された現存する五国の風土記の本文そのものである。文字表現という検討・考察の対象を考慮しても、伝本間の異同も含め、まずは目の前にある本文に目を向けることから始める必要があろう。本書は、現存する五国の風土記の本文から窺える文字表現の分析を通して、風土記の表現の性質を明らかにするとともに、「史籍」としての文献の性質についても検討・考察を行いたい。
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[BOOKデータベースより]
序章 風土記の文字表現―書くことと読むことをめぐる序説として
[日販商品データベースより]第1章 地名説明記事と地名―『播磨国風土記』を中心に
第2章 『播磨国風土記』の表記―文体との関わり
第3章 『播磨国風土記』の漢語表現
第4章 『常陸国風土記』の漢語表現
第5章 『豊後国風土記』の漢語表現
第6章 『肥前国風土記』の漢語表現
第7章 『出雲国風土記』の漢語表現―『文選』の受容をめぐって
第8章 風土記の文体と表記
第9章 風土記と公文―「史籍」としての風土記
終章 公文から古典へ―「史籍」としての文字表現
【「本書の目的と構成」より】(抜粋)
本書は、『常陸国風土記』『播磨国風土記』『出雲国風土記』『豊後国風土記』『肥前国風土記』の五国の風土記を対象にして、主に文字表現の検討を通して、風土記の表現の性質、および、風土記という文献資料の性質を明確にしようとするものである。
本書の「文字表現」とは、字体・字形といった文字の視覚的な側面、表記の用法・方法等といった文字の運用的な側面、および字義の捨象・拡張・付与や比喩的な転換も含む文字の意味的な側面を、より一般的に捉えた表現を指す。文字を用いて表現しようとする希求と、文字を用いて表現したものへの認識、これらの心的様態は、表現としての希求、表現としてあるものへの認識として位置付けられる。本書では、このような心的様態を、伝本資料の文学的な表現にのみ適用するのではなく、公文や荷札といった日常的な業務に用いられる文書における漢字の使用にまで適用しようとするものである。
近年の風土記の研究は、風土記を文学の観点から捉えようとする研究が少なくない。風土記を文学的観点から捉えようとすること、また、風土記を「豊かな文学性をもった書物」「文学作品」「文学書」と位置付けることの前提には、現在における風土記という文献に対する研究の姿勢が関係する。本書も、風土記を対象にした分析の方法を、国語国文学の研究方法に依拠している点で、五国の風土記を文学の観点から捉えようとしている。ただし、風土記が成立した当時において、風土記が文献としてどのように位置付けられていたか、という点については、改めて考えてみる必要性があるのではなかろうか。
風土記の文字表現について検討・考察するにあたって、まず重視したいのは、伝本資料として残された現存する五国の風土記の本文そのものである。文字表現という検討・考察の対象を考慮しても、伝本間の異同も含め、まずは目の前にある本文に目を向けることから始める必要があろう。本書は、現存する五国の風土記の本文から窺える文字表現の分析を通して、風土記の表現の性質を明らかにするとともに、「史籍」としての文献の性質についても検討・考察を行いたい。