[BOOKデータベースより]
二〇二一年大晦日、物語はふたたび始まった。宮城は石巻から福島“第一原発”周辺を南下して―いわき湯本まで。社会の“心のざわめき”を…「謎めいた他者」の眼差しを…映すロードムービー。
プロローグ クマちゃんが教えてくれたこと
夢のはじまる 序幕 それは誰の声か―太陽を盗んだ男
第1幕 石巻 傾聴論―翻訳不可能性
第2幕 南相馬 死者論―謎めいた他者
すこし長めの 幕間 秘密の小部屋―謎めいた他者の眼差のもとで
第3幕 双葉郡 戦後民主主義の行方―メドゥーサの瞳
第4幕 いわき湯本 コトドワタシ論―想いを形にして伝える
終わりのない 終幕 生者の国で言葉を紡ぐ―どこにもいないあなたへ
エピローグ 見えないものを語るために
○ point 1
宗教学者が精神分析と出会ったら... なにが聞こえてくるだろう?
○ point 2
社会の“心のざわめき”を映すロードムービー
◆ Introduction
大震災。地が人を押しつぶし、海が人を呑み込んだ。そこには原発がある。なぜ、津波の来る所に原発はあるのか? ――本書は今、3.11東日本大震災をふたたび眼差して、人と社会の根源を問います。生はどのように死を受け留めるか? 民主主義のいうところの平等はどのように実現できるか? ――死者と生者の関係を、精神分析の“転移”現象になぞらえ、「感情の絆」の形を、震災十余年を経た《社会の心のざわめき》という視点から論じます。宗教学者が「見えないもの」を語る時、何が聞こえるでしょう…。災害の臨床社会考!
◆ Message
☆13年にわたる被災地でのリアルな取材・交流をふんだんに盛り込んだ「臨床」宗教論
☆現地の報道・逸話から、夕鶴「おつう」の物語、そして現代思想まで!