- 芝居唄(全3巻セット)
-
歌舞伎黒御簾音楽歌詞集成
文化資源社
八木書店
郡司正勝 浅原恒男
- 価格
- 49,500円(本体45,000円+税)
- 発行年月
- 2024年02月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784910714073

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[日販商品データベースより]
【紹介】
歌舞伎は楽劇と呼ぶに相応しい音楽の比重の非常に大きい芸能でありながら、これまで音楽面の研究が殆どなされてきませんでした。歌舞伎音楽のうちでも特に重要なのが、舞台下手の黒御簾(くろみす)の中で演奏される下座唄とも黒御簾音楽ともいわれるものです。
歌舞伎では、上演に際して作成される台本とは別に、その演目ごとに演奏する曲名などを書き留めた「附帳(つけちょう)」と呼ばれる、いわば音楽演出進行台本が附師(つけし)によって作成されます。しかしこれはあくまで専門職の手控えで、一般に公開されることは稀でした。その「附帳」を精査し、さらに、これまでに刊行された歌舞伎台本などから集めた歌詞(約1,300曲)を「下座唄」「独吟・めりやす」「大薩摩」などのジャンル別に分けて、唄い出しの歌詞の五十音順に配列し、丁寧な解説と語釈を付した初めての集成です。
歌舞伎に親しんでいる方でも、これらの唄の歌詞まではご存じないかもしれませんので、具体例を挙げてみましょう。
『弁天娘女男白浪』の「浜松屋」の場で、武家娘姿の弁天小僧と若党姿の南郷力丸が花道から出るところで唄われるのは、
「繻子(しゅす)の袴(はかま)の襞(ひだ)とるよりも、主(ぬし)の心がとりにくい、さりとは実にまことと思はんせ」
という、当時の婦女子にはよく知られた「鷺娘」の一節です。恋する娘心を唄った歌詞ですが、当時の観客なら「繻子の袴」という歌詞から、いまから始まる芝居の舞台が呉服店の浜松屋だということに、すぐ気がついたでしょう。このように、下座唄には「見立て」や「謎解き」の遊戯の楽しみもあるのです。ご観劇の前後に本書を参照されることで、歌舞伎をより深く味わっていただくことも可能でしょう。
本書に集成された「芝居唄」には、中世の小歌や説教、古浄瑠璃から、江戸期の流行歌(はやりうた)まで、多くの人々に愛唱された歌謡がさまざまな場面に使われていて、長きにわたり受け継がれてきた江戸文化の洗練と豊潤さを感じさせます。芝居唄の歌詞を理解した上で舞台の推移を楽しむことで、観劇の感興はより深まるに違いありません。