- おじいちゃんのくるみのき
-
評論社
アミ=ジョーン・パケット フェリシタ・サラ ひさやまたいち- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2023年09月
- 判型
- A4変
- ISBN
- 9784566080935
[BOOKデータベースより]
くるみが育ち、めぐる季節と命。おじいちゃんが教えてくれたたいせつなこと。
[日販商品データベースより]くるみが育ち、めぐる季節と命。おじいちゃんが教えてくれた大切なこと。
ある朝目をさますと、ベッドのわきのテーブルにくるみがひとつ。おじいちゃんがくるみにまつわる物語を聞かせてくれます。小さいカバンとポケットにくるみ。おじいちゃんはそれだけを持ち、海を渡ってきたのです。
「ちいさな わかぎを にわの、ゆたかな ちゃいろい つちにうえかえた」
「このおうち? このおにわ?」
「みに いくかい?」
おじいちゃんはくるみの育て方を少しづつ教えてくれます。けれど、くるみが育っていくにつれて、おじいちゃんはだんだんとゆっくりになっていって――。
「すばらしい ことが おきるには、じかんが かかる。たとえ、じぶんが みられなくても かならず おきるんだよ」
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秋に実をつける“くるみ”。一粒のくるみをもとに、祖父、子、孫、さらにその先へと広がる命のすばらしさを伝える絵本です。ある朝エミリアが目を覚ますと、ベッドの横には青い木の実がひとつありました。それは、くるみの実。エミリアへのプレゼントです。おじいちゃんは、この木の実の由来をエミリアに語って聞かせます。おじいちゃんは、エミリアと同じくらいの年に海を越えてこの国にやってきました。小さいカバンとくるみの木の実を一つ持って。くるみは小さな鉢に植えられ、引っ越しをするたびにおじいちゃんと共に移動してきました。くるみが苗木になったころ、おじいちゃんはおばあちゃんと出会い、今の家にやってきて、立派なくるみの木になるよう庭の土の中に植えられたのです。今や、おじいちゃんのくるみの木は、見上げるほど大きく、枝を伸ばし茂っています。横にはエミリアのママが植えた中くらいのくるみの木も。そしてエミリアも、くるみの木を育てる日が来たのです。エミリアは植木鉢に青い木の実を埋めました。鉢の中で、くるみは芽を出し育っていきます。しかし、それと反比例するように、おじいちゃんの腰はまがり一日のほとんどをアームチェアですごすようになりました。ゆっくり育っていく苗木を見ながらエミリアはおじいちゃんに尋ねます。「いつか きに なる?」「なるとも」とおじいちゃん。「すばらしいことが おきるには、じかんがかかる。たとえ、じぶんが みられなくても かならず おきるんだよ」おじいちゃんが遠い海の向こうの国から大切に持ってきたくるみの実。それは今、ごつごつした枝を広げ、天高くそびえる大きな木になりました。その横にはママとエミリアの木も。これらの木は、これからもずっと一緒にここで育っていくことでしょう。すばらしいことは、長い時間をかけて起こります。おじいちゃんもママもエミリアも、それらを見ることができなくても、おじいちゃんから始まった物語と、すばらしい命のつながりは、これからも続いていくのです。いつか自分がいなくなったとしても、その一部は受け継がれている、そうした巡る生命の尊さを、ぜひ感じ取ってください。
(絵本編集者 徳永真紀)
おじいさんがエミリアにクルミの実を渡して、クルミを育てさせたのは、自分の死期を感じたからでしょうか。
そのクルミはおじいさんが人生を共にしてきた、クルミの木から取れたものでした。
おじいさんのクルミの木、お母さんのクルミの木、エミリアのクルミの木、3代に渡る庭の木立を思い浮かべると荘厳な思いになります。
それは、おじいさんの死と重ね合わされるからでしょうか。
おじいさんの思いとともに、3本目のクルミの木は育っていくのですね。(ヒラP21さん 70代以上・千葉県 )
【情報提供・絵本ナビ】