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[BOOKデータベースより]
本書は、2010年刊行の中村高康編著『進路選択の過程と構造』での研究データとフィールドに新たな視点をとりいれて実施した調査にもとづいて、現代の高校教育のリアリティに接近する研究。学科・科目・学級・進路といったさまざまな教育的意図を持つ「教育的カテゴリー」と教師や生徒はどのような関係を取り結ぶのか。ゆらぐ高校教育をとらえる新たなモデルを探究する。
第1章 高校生の進路・生活と集団編成―「教育的カテゴリー」への注目
[日販商品データベースより]第2章 調査研究の概要と基礎分析
第3章 商業高校における専門教育と教育的カテゴリー
第4章 商業教育と系統を用いた教師の実践
第5章 X商業高校の学級編成と教育的カテゴリー
第6章 生徒にとっての教育的カテゴリーの意味
第7章 高校生にとっての学校内所属集団の意味―教育的カテゴリーへの帰属意識の計量分析
第8章 系統の再編と生徒の進路選択
第9章 所属集団と生徒の意識・行動の分化―系統、クラス、部活動の影響
終章 ゆらぐ高校教育をいかにとらえるか―「教育的カテゴリー」概念の確立に向けて
少子化に代表される社会変動を背景として改革が繰り返される高校教育。学校や学科の再編・新設など、さまざまな制度的枠組みを立ち上げることで生徒の進路や生活を囲い込み直そうとする試みがあちこちで出現しているが、その規定力もまたゆらいでいる。だとすれば、今必要なのは、こうした枠組みの乱立という現象自体も視野に入れながら、高校教育の在り方を捉え直す視座である。本書は、さまざまな教育的意図を持った多様な枠組みを「教育的カテゴリー」という一つの概念であえて捉え、それらを同じ土俵に載せる。このとき、教師や生徒は「教育的カテゴリー」とどのような関係を取り結ぶのか。一見して水準の異なる「教育的カテゴリー」間にはいかなる関係が現れるのだろうか。本書ではこうした記述を通じ、ゆらぐ高校教育を捉えるモデルを探究する。