[BOOKデータベースより]
つる子はこほんとひとつ咳払いして言った。「奨学金をだすことにしたよ。」ある日、曾祖母につる子に呼びだされたわかばたち一家。いとこの樹とともに、つる子から高校の学費を援助するという提案を受ける。条件は、今の実力よりひとつ上の学校をめざすことだった。受験とバレー部の両立、応援し心配する親からのプレッシャーに悩みながらも、わかばは挑戦するおもしろさを感じていく。中学生から。
[日販商品データベースより]初めて、もっと勉強したいって思った。
女子ゆえに進学に苦労した曾祖母つる子は、
ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすという。
ただし、そのためにはひとつ条件があって……。
高校受験とバレー部の両立、応援し心配する親からのプレッシャーに悩みながらも、わかばは挑戦するおもしろさを感じていく。
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つる子はこほんと一つ咳払いをして言った。
「奨学金をだすことにしたよ。」
奨学金?
わかばはきいたばかりの単語を心の中でくりかえした。(略)
座敷の空気は一気になごんだ。というか、軽々しいばかりにはずんだ。
だが、次の一言でまたピンと張りつめた。
「ただし、それにはひとつ条件があるよ。」
つる子がぴしゃりと告げたからだ。
(本文より)
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【編集者より】::::::::::::::::::::::::::::::::
高校受験をあつかってますが、女子の進学のしにくさもテーマです。
曾祖母つる子の時代は女子は上級の学校に行かせてもらえず、
母の時代には女子は短大(兄弟は四大)、
そして主人公わかばの受験にも合格点の男女差が立ちはだかります。
これは、男子はいい学校に行って、いい会社に入るのがよい、
という方向付けと表裏でもあります。
主人公のわかばと、いとこの樹が、受験を通じて、
ちょっとずつ、自分の人生を考えていく物語です。
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高校受験で志望校をどこにするとか、どうやってやる気を起こすかとか。そのひとつにひいおばあちゃんからの「奨学金を出す」というカギになるものがあり。紆余曲折が合って入試当日を迎える。そして合格発表。よくあるドラマかと思いきや…。
進路をめぐる葛藤や、人それぞれどんな目標を持つかを通して、「そもそも受験って何のためにあるの?」と考えさせてくれる話でした。
固定観念に対する疑問や問題提起、そこへの挑戦もあり。
受験を控えた、今受験に臨んでいるみなさん、人生は長いですよ?(よし99さん 50代・大阪府 女の子0歳)
【情報提供・絵本ナビ】