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「海と生きる」三陸の水産都市
新評論 関満博
点
豊かな水産資源で知られる三陸沿岸地域の中でも、全国有数の漁業基地として発展を重ねてきた宮城県気仙沼市。2011年東日本大震災の甚大な被災から見事に立ち上がり、真摯で果敢な挑戦を続ける人びとの深く熱い思いに学ぶ。
第1部 水産都市・気仙沼の挑戦(気仙沼産業経済の歴史と輪郭―農業基盤が脆弱、漁業、水産加工、流通に向かう;水産業都市への展開―産業革命から、東日本大震災まで;気仙沼の産業をめぐる諸事情―人口、農業、水産業、事業所;水産都市としての展開―一大水産業コンプレックスの形成;水産加工業の一大集積 ほか)第2部 東日本大震災と地域産業の復旧・復興(2011.3.11〜)(2011.7/東北を代表する水産都市の被災と産業復興―地震、津波、火災、地盤沈下の中で;2011.10/造船業の被災と復興の課題―東日本太平洋側唯一の鋼製漁船製造地域;2011.9/地震、津波と進出企業―復旧、復興にどのように取り組んでいるのか;2014.6/事業者の自主的な再建―隣の陸前高田市に新たな水産食品加工団地を展開;2011.12/被災した農漁業者の復旧・復興―本吉地区の半農半漁の人びとの取組み ほか)
幾多の苦難を乗り越え、全国有数の漁業・水産業コンプレックスを明日のさらなる豊かさへと引き上げようとする人びとの思いに学ぶ 青森県から福島県南部までの三陸沿岸地域、2011年3月11日の東日本大震災の津波により市街地も地域産業も壊滅した。それから11年、巨大な国家投資によりハード面の復旧は大きく進んだ。他方、この間の人口減少は著しく、多くの地域で20〜25%の人口減となった。働くところがなければ人は暮らせない。 三陸地域は古くから漁業、水産加工業を基幹産業としてきた。だがこの数十年、漁業をめぐる環境変化(不漁、国際的な漁業規制)は大きく、加えて消費者の魚食離れも進んでいたため、漁業関連の人びとの間では不安が拡がっていた。そのような中での再出発であった。 その三陸の中でも、宮城県気仙沼市は随一の漁業基地であり、最大の水産加工コンプレックスを形成してきた。それらが津波によって一瞬で流失し、続く復興期の間、漁業、水産加工業という地域の基幹産業の将来が真摯に問い直されてきた。海に支えられ、海に泣かされてきた気仙沼の人びとは、被災を経てなお「海と生きる」という言葉を掲げ、見事に立ち上がり、次の時代に向かおうとしている。筆者がこの地を初めて訪れたのは1986年、以来36年間にわたり200回以上の訪問を重ねる中で、震災後の11年はとりわけ事業者の方々の不屈の思いに胸を打たれることしきりだった。 本書では、この全国有数の水産都市について、その歴史構造的な特質と現状を明らかにし、復興から未来へと向かう姿に注目していく。震災11年目の総括の意味も込めて、第U部には復旧・復興の過程を追った現場報告も収めた。 全国的にも旧来の地域産業、地場産業はバブル経済崩壊以降の30年の間に大きく後退している。しかし気仙沼では、最も旧い産業の一つである漁業、水産加工業の世界で、新たな可能性に向けて興味深い取組みが重ねられている。その挑戦は地域産業振興に取り組む全国の人びとにも大きな希望を与えることだろう。(せき・みつひろ)
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
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[BOOKデータベースより]
豊かな水産資源で知られる三陸沿岸地域の中でも、全国有数の漁業基地として発展を重ねてきた宮城県気仙沼市。2011年東日本大震災の甚大な被災から見事に立ち上がり、真摯で果敢な挑戦を続ける人びとの深く熱い思いに学ぶ。
第1部 水産都市・気仙沼の挑戦(気仙沼産業経済の歴史と輪郭―農業基盤が脆弱、漁業、水産加工、流通に向かう;水産業都市への展開―産業革命から、東日本大震災まで;気仙沼の産業をめぐる諸事情―人口、農業、水産業、事業所;水産都市としての展開―一大水産業コンプレックスの形成;水産加工業の一大集積 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 東日本大震災と地域産業の復旧・復興(2011.3.11〜)(2011.7/東北を代表する水産都市の被災と産業復興―地震、津波、火災、地盤沈下の中で;2011.10/造船業の被災と復興の課題―東日本太平洋側唯一の鋼製漁船製造地域;2011.9/地震、津波と進出企業―復旧、復興にどのように取り組んでいるのか;2014.6/事業者の自主的な再建―隣の陸前高田市に新たな水産食品加工団地を展開;2011.12/被災した農漁業者の復旧・復興―本吉地区の半農半漁の人びとの取組み ほか)
幾多の苦難を乗り越え、全国有数の漁業・水産業コンプレックスを
明日のさらなる豊かさへと引き上げようとする人びとの思いに学ぶ
青森県から福島県南部までの三陸沿岸地域、2011年3月11日の東日本大震災の津波により市街地も地域産業も壊滅した。それから11年、巨大な国家投資によりハード面の復旧は大きく進んだ。他方、この間の人口減少は著しく、多くの地域で20〜25%の人口減となった。働くところがなければ人は暮らせない。
三陸地域は古くから漁業、水産加工業を基幹産業としてきた。だがこの数十年、漁業をめぐる環境変化(不漁、国際的な漁業規制)は大きく、加えて消費者の魚食離れも進んでいたため、漁業関連の人びとの間では不安が拡がっていた。そのような中での再出発であった。
その三陸の中でも、宮城県気仙沼市は随一の漁業基地であり、最大の水産加工コンプレックスを形成してきた。それらが津波によって一瞬で流失し、続く復興期の間、漁業、水産加工業という地域の基幹産業の将来が真摯に問い直されてきた。海に支えられ、海に泣かされてきた気仙沼の人びとは、被災を経てなお「海と生きる」という言葉を掲げ、見事に立ち上がり、次の時代に向かおうとしている。筆者がこの地を初めて訪れたのは1986年、以来36年間にわたり200回以上の訪問を重ねる中で、震災後の11年はとりわけ事業者の方々の不屈の思いに胸を打たれることしきりだった。
本書では、この全国有数の水産都市について、その歴史構造的な特質と現状を明らかにし、復興から未来へと向かう姿に注目していく。震災11年目の総括の意味も込めて、第U部には復旧・復興の過程を追った現場報告も収めた。
全国的にも旧来の地域産業、地場産業はバブル経済崩壊以降の30年の間に大きく後退している。しかし気仙沼では、最も旧い産業の一つである漁業、水産加工業の世界で、新たな可能性に向けて興味深い取組みが重ねられている。その挑戦は地域産業振興に取り組む全国の人びとにも大きな希望を与えることだろう。(せき・みつひろ)