[BOOKデータベースより]
ボーダレスな世界で勝ち抜くために。従来のディスラプション(破壊)は、業界構造を劇的に変えるものだった。しかし、現在起こっているのは、エコシステム(生態系)を劇的に変えるディスラプションにある。これまでの競争は、ライバル企業と共通の目的を持って競うものであり、はっきりとした勝ち負けが存在した。しかし現在では、異なる目標を掲げ、異なる指標に焦点を当てたライバル同士が競っている。そして、思いもしなかったパートナーと協働し、個々の企業では実現できない方法で価値創造を行っている。本書で紹介するツールや手法は、エコシステムにおける戦略を理解し、表現するための言葉を提供する。それらを自社の文脈に応じて積極的に取り入れれば、大きな力となるだろう。
第1章 誤ったゲームでの勝利は、敗北を意味する
第2章 エコシステムで防御する
第3章 エコシステムで攻撃する―競合の激化から競合の変化へ
第4章 エコシステム・ディスラプションのタイミング―遅すぎてもいけないが、それ以上に早すぎてもいけない
第5章 「エゴ」システムという罠
第6章 重要なのはリーダーシップのマインドセット
第7章 理解されてこその戦略
ボーダレスな世界で勝ち抜くために。DX時代の新しい競争戦略論。
現在、ビジネスの競争原理が変わりつつある。今までは明確に定義された業界が存在し、ライバル企業と同じ目的を持って、コストや品質で顧客をめぐって争っていた。しかし今は、より幅広い価値提案を行うエコシステム(生態系)の構築が重要視されてきている。自動車からモビリティソリューション、金融はフィンテック、薬局はヘルスケアサービスへと変革し、業界の垣根は消失してしまった。そのため、今まで予想もしなかった、かつての競合とはまったく異なる指標や目的を持つ相手が次々に参入し、競争せざるをえなくなっている。こうした世界で生き残り、正しく勝つためには、競合、成長、リーダーシップに対する考え方の変換が必要となる。その分、リーダーにならなくても、顧客への価値作りの要所を押さえるなど、勝つための方法は何通りも存在する。本書では、必要となるコンセプト、ツール、フレームワークについて、スポティファイ(音楽ストリーミング)、ウェイフェア(家具)など、GAFAの激しい攻勢を受けながらも鮮やかにかわした企業の事例なども紹介しながら、成功を収めるための戦略を探っていく。