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[BOOKデータベースより]
第1部 古代日本語の格(古典語の格標示に関する諸問題;古代日本語における「問ふ」を述語とする構文の格標示法の変化について;上代語の主文終止形節における格配列、相互識別、無助詞現象)
[日販商品データベースより]第2部 日本語方言の格(本州方言における他動詞文の主語と目的語の区別について―京都市方言と宮城県登米町方言の分析;富山市方言における格成分のゼロ標示―二重対格相当構文が可能になることに着目して;九州方言の格表現―熊本市方言と博多方言の基本配列を中心に;宮崎県椎葉方言 格の諸相―与格を中心に;宮崎県椎葉村尾前方言における形容詞述語文の格標示;日本語諸方言の主語・目的語の格標示形式)
第3部 日本語の格と言語類型論(日琉諸語の格体系―概観と類型化;南・田窪の4段階説と格・焦点表現―談話情報との関連から;日本語方言の斜格;言語類型論から見た日本語の格)
現代日本語書き言葉では、主語が「が」で、直接目的語が「を」であらわされるが、同じ日本語でも話し言葉、方言、古代語にはそれとは異なる多様な様相がある。日本語の格表現のシステムを、13章の論考から解明する試み。
■まえがきより
現代日本語書き言葉では、主語が「が」で、直接目的語が「を」であらわされる。しかし、話し言葉では「太郎 本 読んでるよ」のように「が」や「を」をつけない文が頻繁に発話されている。このような文が「が」や「を」を任意に省略したものでないことは、いくつかの研究ですでに指摘されているが、では、どのようなときに「が」や「を」があらわれ、どのようなときにあらわれないのかについては、いまのところ、明確な基準が見つかっていない。
諸方言に目を向けると、ある方言では主語や目的語に助詞をつけるのが普通であって、助詞がないと不自然だと感じられる一方で、ある方言では助詞をつけないのが普通で、助詞をつけるとある特殊な意味が生じるというように、方言ごとに違いがある。方言の格表現は、じつは思っている以上に多様な様相を呈しているのである。
古代語では、一般に主語も目的語も助詞なしで表現されると言われている。しかし、実際には「が」や「の」や「を」がかなり使われていて、助詞が使われるときと使われないときの違いが何なのか、明確にはまだわかっていない。
本書は、このような疑問を出発点として日本語の格表現のシステムを、古代日本語から現代日本語・現代諸方言までを視野に入れて解明しようと試みたものである。本書は13の章からなるが、13の章は「第1部 古代日本語の格」「第2部 日本語方言の格」「第3部 日本語の格と言語類型論」といったまとまりをなすように配置されている。