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[BOOKデータベースより]
1 古代の紀伊国は輝いていた(氷河期にやってきた旧石器人;縄文貝塚はなぜ山中にあるのか ほか)
[日販商品データベースより]2 中世―躍動する地域勢力(熊野信仰の成立;熊野別当家と第二一代熊野別当湛増 ほか)
3 近世の紀州、泰平・多様性の時代(秀吉の紀州攻め、和歌山城;木食応其と近世高野山領 ほか)
4 近現代和歌山の諸相(幕末の紀伊藩―その政治的位置の再検討;和歌山城下沿岸の幕末台場 ほか)
日本列島という地理的な範囲における歴史展開、現代日本の範囲の歴史を便宜的に「日本史」と呼ぶ場合、中央政権の推移に対し、地方の政治や出来事の歴史を「地方史」と呼ぶことがある。一方、「地域史」という言葉は、一九七〇年代から拡がりはじめた。中央に対する地方というように、中央の存在を前提とし、他者の存在や歴史意識に依拠するのではなく、「地域」の価値に立脚し、その歴史の顕彰が主張されるようになり、「地域史」が誕生した。
こう考えてくると、「地方史」という言葉は、二一世紀の今日、その歴史的役割と終えた古い言葉のようにも見える。しかし、果たしてそうであろうか。現代の社会を見ると、都市(首都)は重視され、物質的に豊かである一方、地方都市は、例えば腕時計の部品一つも容易に手に入らない。かつて、私たちのつい二、三世代前の先人が生きてきた時代のように、中央―地方の厳しい格差について自覚することが必要な状況である。
同時に、和歌山を初め日本列島の人口過疎県、僻地県ではコロナ禍も薄く、住みやすい。このような、負の格差と新しい地域の価値の自覚、そのような自覚を生み出す歴史的省察を求めるために、本書ではあえて「地方史」の考え方を採用し、新しい意味づけを主張しようと思う。最前線の「地方史」を今日掲げる必要がある。和歌山の歴史は今日の日本社会の確実に最前線にあり、その歴史を研究し、解明したいと考え、「地方史研究の最前線」を本書の書名とする。本書の刊行は、新しい価値観の下に「地方」を創造する営みである。
今、東京では『みる・よむ・あるく東京の歴史』シリーズが刊行中である。かつて江戸期『北越雪譜』が情緒豊かな雪深い地方の生活文化を江戸に発信したように、私たちが生活し、新しい価値の源泉である「地方史」を、自らの地域と大都市に向かって、静かに発信し、「地方史」を日本中に再び息づかせたい。
本会は二〇二〇年で創立四〇周年を迎えた。市民が読めば楽しくかつ深い理解を生み、力がわくような紀州・和歌山県域の歴史書を編むことを企画し、ここに刊行に辿り着いた。