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[BOOKデータベースより]
生きることの迫真性を求めて、都会から奈良の里山へ移り住んだ若き農耕民が構想する、生き物たちとの貪欲で不道徳な共生宣言。一般に禁欲や清貧といった観念に結び付けられている里山を、人間を含む貪欲な多種たちの賑やかな吹き溜まりとして捉え直し、人間と異種たちとの結節点である堆肥を取り上げながら、現代社会において希釈・隠蔽されている「生の悦び」を基底から問い直す。
第1章(腐臭を放つ;腐敗の先の里山生活 ほか)
[日販商品データベースより]第2章(堆肥へ;自己堆肥化願望 ほか)
第3章(世界に逆らう;着陸する ほか)
第4章(“土”への堕落;生前堆肥 ほか)
潔癖文化に抑圧された腐爛の分解世界を、艶やかに解放する実践の書。
――藤原辰史(歴史研究者)
東千茅氏は、私が文学でやりたかったことを背徳の里山でやりまくっている極悪人だ!
――吉村萬壱(小説家)
生きることの迫真性を求めて、都会から奈良の里山へ移り住んだ若き農耕民が構想する、生き物たちとの貪欲で不道徳な共生宣言。一般に禁欲や清貧といった観念に結び付けられている里山を、人間を含む貪欲な多種たちの賑やかな吹き溜まりとして捉え直し、人間と異種たちとの結節点である堆肥を取り上げながら、現代社会において希釈・隠蔽されている「生の悦び」を基底から問い直す。本当に切実な問いと、根底を目指す思考とを、地についた生活に支えられた文章で表した、読む人に鮮烈な印象を与える第一著作。
「もとよりわたしは何者でもなく、何者かであろうとも思わない。当然、守るべき社会的立場など持ち合わせていない。しかし、だからこそ語りうる言葉があると思う。わたしは何の実績もない無名の落後者に違いないが、土の上では誰でも一匹の生き物なのであり、地位や肩書はかえって邪魔なものだ。わたしがつねに求めているのは、お行儀のいい言説ではなく、「ほんとうに切実な問いと、根底を目指す思考と、地についた方法」だけである。」(あとがきより)