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[BOOKデータベースより]
仏教者は孤高の思想家ではない―「行像」と呼ばれる仏教儀礼の諸相を「律」(生活規範)に見出し、教理や教説を説いた文献資料からでは可視化され難い仏教者の姿を明らかにする。「浄土へ往生する」こと、「現世で仏になる」こと―相反すると考えられる二つの異なる教義を前に、仏教者たちはいかに思考し、どのような行為をもって来世に想いを託したのか。
第1章 律に説かれる宗教活動―インドにおける「行像」(「根本説一切有部律」とは;「行像」とは;「根本説一切有部律」に説かれる「行像」;いつ「行像」は開催されたのか)
[日販商品データベースより]第2章 往生の秘訣―平安日本の臨終行儀(密教儀礼と浄土の願い―問題とならない二つの融合;密教的臨終の姿勢;密教的な臨終行儀のやり方;実範―真言行者にとっての臨終行儀;覚鑁―密教儀礼としての臨終行儀 ほか)
シリーズ三回配本第U巻は、過去世と現世をつなぐ行為を扱う第一章と、現世から来世に想いを託すための行為を主題とした第二章から成る。
【目 次】
はしがき (船山 徹)
第一章 律に説かれる宗教活動――インドにおける「行像」―― (岸野亮示)
はじめに
一 インド仏教をなぜ研究するのか / 二 インド仏教をいかに研究するのか / 三 「律(Skt. vinaya)」というテキスト
第一節 「根本説一切有部律」とは
一 まとまった形で現存する六つの律文献 / 二 「根本説一切有部律」の特徴
第二節 「行像」とは
一 「中国レンズ」と「仏像」について / 二 日本や中国における「行像」 / 三 旅行記に見られる西域・インドにおける行像
第三節 「根本説一切有部律」に説かれる「行像」
一 『ニダーナ』と『ムクタカ』というテキスト / 二 『ニダーナ』に見られる「行像」に関する規定 / 三 『ムクタカ』に見られる「行像」に関する規定
第四節 いつ「行像」は開催されたのか
おわりに
参考文献
第二章 往生の秘訣――平安日本の臨終行儀―― (ジャクリーン・I・ストーン、中山慧輝訳)
はじめに
第一節 密教儀礼と浄土の願い――問題とならない二つの融合
第二節 密教的臨終の姿勢
第三節 密教的な臨終行儀のやり方
第四節 実範――真言行者にとっての臨終行儀
第五節 覚鑁――密教儀礼としての臨終行儀
第六節 二重の論理
第七節 少数派の見解
結 語
注
参考文献
語彙解説
図版一覧 / 索 引