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[BOOKデータベースより]
寝こんでいる若旦那が心にかかって忘れられないもの。それは…、つやつやとして、やわらかで、キメこまやかで、ふっくらとしていて、かおりのいい…、そう、みかん!!それならお安い御用と、笑顔でうけあった番頭さんでしたが…。「ああっ…やばいっ…!!」顔面蒼白!絶体絶命!心乱れる番頭さんが、たどり着いたのは?!
[日販商品データベースより]人間国宝・柳家小三治監修!!本格落語えほんシリーズ第5弾!
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有名な古典落語「千両みかん」の絵本です。舞台は、江戸の町。布団に横になっているのは、ある大きな商店の若旦那です。若旦那は長患いのようですが、どうやら薬を飲んでよくなる病気ではなく、何か胸につかえているものがあるようです。心配する番頭さんが、医者のアドバイスに従って聞き出そうとすると、若旦那が言うには……。「つやつやとして……、やわらかで……、キメのこまかやかな……、ふっくらとした……、かおりのいい……、水気のたっぷりとした……」「みかん。みかんたべたいなあー!」さあ、まさかみかんとは思わず、「お安い御用」と請け合った番頭さん。ところが、今が真夏のいちばん暑い盛り、みかんなんて手に入らない季節であることを忘れていました。旦那さまに、「息子をそれだけ喜ばせて、がっかりさせたら、ヘタすりゃぽっくりいってしまう。そうなったら主人殺しで磔(はりつけ)だ」と責め立てられ、矢も楯もたまらなくなった番頭さん。広い江戸のどこかに、1つくらいみかんが見つかるのではないかと飛び出します……。さて、ここから先は、更に落語らしいやりとりの連続!鳥屋に「みかんを産む鳥はいないか」と聞いてみたり(!)、磔にされる場面を想像して腰をぬかしたり……。いったいこの先どうなるのかと読者はドキドキしながら、おろおろする番頭さんと相手との会話劇に引き込まれます。最後、ついに法外な値段がついた色つやのよいみかん1つを前に、番頭さんは何を思うのか……。季節問わず果物が食べられる現代の子には、真夏のみかんへの渇望は、ピンと来ないところもあるかもしれません。でも子ども心に、お金の重みや番頭さんの悲哀はわからないまでも、「わからなさ」の余韻が残るのではないでしょうか。本書は人間国宝・柳家小三治の「千両みかん」が元になっているそう。作者は『しにがみさん』『ねこのさら』などの落語絵本シリーズを版画で手がけている野村たかあきさん。力強く彫られたみかんはもちろん、建築物や着物・身ぶりにも江戸の風情が生き生きと立ち上がる版画絵が素敵です。それにしても、千両っていったいいくらだと思います?ヒントは1両およそ10万円ですって。スケールが大きすぎるような、どこか小さいような……実に落語らしい見事な味わいを、どうぞ絵本でお楽しみください!
(絵本ナビライター 大和田佳世)
商家の若旦那が病の床につき
願ったのは「あまーいみかんが食べたい・・」
真夏なので、みかんは無し・・
(「夏ミカンはないのかい」と、心の中で突っ込んだけど、夏ミカンはすっぱいものね・・)
訪ねたミカン問屋でみつかったたった1つkみかんは
なんと千両!!
これが、安いのか高いのか・・。
とてもとても考えさせるお話です。
関西人の家庭内の会話として(我が家だけか?)
よく、いろんなものが高いか安いかが話題になるのですが
「それがすごーくほしい人は、いくらでもお金を積むだろうけど
いらない人には、10円でも高いよね」と言っていることが
まさに落語になってました。
最後に、みかんの3房をもって失踪した番頭・・という落ちが
ものすごく効いています!!
このシリーズは本当に面白い!!(やこちんさん 50代・兵庫県 女の子15歳)
【情報提供・絵本ナビ】