- ハインリッヒ・フォン・クライスト
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「政治的なるもの」をめぐる文学
インスクリプト
大宮勘一郎 橘宏亮 西尾宇広 ルート・クリューガー ゲルハルト・ノイマン- 価格
- 4,840円(本体4,400円+税)
- 発行年月
- 2020年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784900997783
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【2025年02月発売】
[BOOKデータベースより]
実存を賭した抗争に露呈する「政治的なるもの」―。「チリの地震」「ヘルマンの戦い」、その極北たる「ペンテジレーア」…。近代のとば口を疾駆した天才クライストの文学世界を、主要テクストすべてに触れながら照らし出し、その現代性を鋭く剔抉。重要クライスト論四篇、併せて訳出。
わたしの言う自由とは―クライスト「ヘルマンの戦い」と「聖ドミンゴの婚約」における夷狄支配
[日販商品データベースより]「ペンテジレーア」―「政治的なるもの」と「愛」
流動化する国家―クライストの政治的著作における共同体の問題について
機械仕掛けの国父―クライストにおける“君主”の形象
口ごもる言葉と躓く身体―クライストの文化的人間学概要
描出の揺らぎ―クライストの「チリの地震」
「事態のこの恐ろしい変転」―クライスト作品における事物の作用力
19世紀初頭を駆け抜けたドイツの天才劇詩人・クライスト。「チリの地震」「ミヒャエル・コールハース」「壊れ甕」そして「ペンテジレーア」など、日本でも長年親しまれ──鴎外が驚愕し芥川が激賞し太宰が傾倒した──、カフカ、ヴァルザー、グラック、J・M・クッツェー、あるいは多和田葉子、さらにカール・シュミットやジル・ドゥルーズ、ポール・ド・マンらを魅了してきたクライストの作品世界を、「政治的なるもの」を斬り口に、そのアクチュアリティを抽出する。国家の創設と防衛、戦争と例外状態、人民軍、共和制と愛国主義、公共圏と君主制など、クライストの作品世界の形姿は「政治的なるもの」=実存を賭した抗争に覆われていると言っても過言ではない。吊り支えられる崩壊と破局の美学を根底にした、ギリシャ悲劇(「アンティゴネー」「バッカイ」)に通じるその高貴な劇的世界に新たな光を当てる、本格的にして野心的な初のクライスト論集。書き下ろし力作評論三篇に、ノイマン、ハーマッハーを初めとするドイツでの最重要論文四篇を併せて訳出。略伝、作品梗概併録。