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- 江戸語資料としての後期咄本の研究
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- 価格
- 9,680円(本体8,800円+税)
- 発行年月
- 2019年12月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784894769595
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[BOOKデータベースより]
1 表記変化を促したもの(仮名の用法―装飾性から効率性へ;漢字の用法―読み易さの工夫;振り仮名の用法―読解補助の域を超えて)
[日販商品データベースより]2 表記からわかること(『鹿の巻筆』写本の資料性―個人を想定する写本・大衆を想定する板本;語義意識の薄れと付加による表記の変化―「侍」「禿」「灯」;/i/を表す仮名遣いと作家の位相の違い)
3 語彙からわかること(“相の類”の役割を担った“体の類”―「醜い」から「夏芝居の累といふもので」へ;時間の表現を越える「日にち」の語彙―「明後日 御出」)
4 上方語的要素を脱却していく語法(ハ行四段動詞と形容詞のウ音便形―共通語へつながる江戸語のウ音便形;格助詞「へ」と「に」の使用―座敷芸人の「に」・寄席芸人の「へ」;原因・理由を表す条件節―「によって」「ほどに」から「から」の使用へ)
5 類型化と使用層の変化(助動詞「やす」の衰退―丁寧語から限られた男性の語へ;「ませ」と「まし」の交替現象―「まし」の流行と「ませ」への回帰;三笑亭可楽作品の「ござる」―古臭さ・尊大さを表すために;前期噺本の「ござる」―文意を決定する本動詞から代替可能な補助動詞へ;終章;付章 三笑亭可楽作「新作おとしはなし」における江戸語;付録 早稲田大学中央図書館蔵「新作おとしはなし」翻刻ならびに注釈)
従来、後期咄本は江戸語資料としての価値を認められることが少なかった。しかし一方で、当時既に古臭さ・尊大さを想起させる「ござる」、婉曲な拒絶を表す「一昨日来い」等の様々な実例が見られ、市井の会話が得られる資料と言える。本書はこれらの実例から〈表記変化を促すもの〉〈類型化と使用層の変化〉等、表記・語彙・語法他の視点から、江戸語が上方語的要素を脱し、独自の発展を遂げた変化の要因を論じるものである。