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[BOOKデータベースより]
2002年頃から本格的な研究が始まった「量子ウォーク」は研究対象が広範囲なものとなり、現在この大きな拡がりのなかで新しい展開をみせている。さらに、近年、巨大IT企業による量子コンピュータの急速なハード開発の進展により、量子ウォークに基づくアルゴリズムが量子コンピュータ上で動くことが現実のものとなりつつあり、新しい局面に入ってきている。このような時機を得て、本書は、多面的な量子ウォークの数理の新展開を読者がよりよく理解できるよう、従来の数学との関連を意識しつつ、代数、幾何、解析、および確率論的側面からテーマを取り上げるとともに、物理学、工学、情報科学への応用についても解説した書である。
第1部 代数的側面(量子ウォークとグラフゼータ函数―「今野‐佐藤の定理」からの眺望;四元数量子ウォーク)
第2部 幾何的側面(ベキ乗公式と漸近解析;グローバーウォークの固有値とグラフのフロー)
第3部 解析的側面(量子ウォークのスペクトル・散乱理論;量子ウォークのユニタリ同値類 ほか)
第4部 確率論的側面(量子ウォークと力学系;解析的で一様なZ上量子ウォーク:定義・構造定理・極限定理 ほか)
第5部 応用的側面(量子ウォーク同位体分離;量子計算シミュレーションに向けて:光学と量子ウォーク ほか)