蕉門の一句

３６５日入門シリーズ　９

ふらんす堂
��柳克弘　

• 価格: 1,885円（本体1,714円＋税）
• 発行年月: 2019年07月
• 判型: Ｂ６変
• ISBN: 9784781411910

内容情報

[BOOKデータベースより]

三六五句の芭蕉の弟子達が求めた揺るぎない完成への道。

一月
二月
三月
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月

[日販商品データベースより]

◆揺るぎない完成への道



三六五句の

芭蕉の弟子達が求めた

揺るぎない

完成への道



365日シリーズ最新刊！



◆１月１日

日の春をさすがに鶴の歩みかな　　其角



「日の春」は、「今日の春」の略で、元日のこと。この其角の造語について、師である芭蕉は「春の日」か「立春は」とするべきではないかと指摘している。とはいえ、「日」には眩しい初日の出のイメージも重ねているのではないか。だからこそ、鶴」の白さが際立つのであり、「春の日」では初日のかがやきが埋もれてしまう。めでたい新春にふさわしい、堂々たる鶴の歩みを詠み、名吟の風格がある。石田波郷に「吹きおこる秋風鶴を歩ましむ」（『鶴の眼』昭和十四年刊）があるが、対照的だ。波郷の鶴の寄るべない歩みには、現代人の憂愁が潜む。其角の鶴は、新春の喜びに晴々と胸を張っている。（「丙寅初懐紙」）季語＝日の春（新年）