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[BOOKデータベースより]
戦後70余年、未だ日ロ間で平和条約が締結されないのはなぜか?北方領土返還は如何にして実現可能か?旧ソ連からプーチンに至るロシアの対外交渉を、交渉学の諸理論から紐解き、対ロ外交の修羅場を経験した専門家の証言をもとに緻密に分析・検討し、日ロ関係の展望を考察する。
第1部 交渉の一般理論―米欧諸国での発展(交渉とは何か―交渉の種類;交渉は「芸術」か、「科学」か;交渉の決定要因は何か;交渉が必ずたどる三段階;文化は、交渉に影響する;異文化間交渉を成功させる方法)
[日販商品データベースより]第2部 ロシア式交渉―なぜ、特異なのか(変化と連続―帝政、ソビエト、プーチン期;ロシア人の交渉観―戦争と交渉は同一カテゴリー?;プーチンの交渉観―弱い者は打ち負かされる;株式会社“ロシア”のビジネス交渉;対露経済交渉の必勝法)
第3部 日本式交渉―なぜ、ユニークなのか(交渉嫌い、交渉回避;独自の交渉法;対ロ交渉に成功するノウハウ;北方四島返還のチャンスはあった;プーチンvs阿倍―どちらが最終的勝者?)
戦後70余年、未だ日ロ間で平和条約が締結されないのはなぜか?
「俺のもの(「領土」)は俺のもの、お前のもの(「経済力」)をどう分けるか、交渉しよう」
北方領土返還は如何にして実現可能か? 旧ソ連からプーチンに至るロシアの対外交渉を、交渉学の諸理論から紐解き、対ロ外交の修羅場を経験した専門家の証言をもとに緻密に分析・検討し、日ロ関係の展望を考察する。
〈俺のものは俺のものであり、お前のものをどう分けるか、交渉しよう〉。これこそがロシア式交渉の真髄であると、ロウニー中将(対ソ軍縮交渉米特別代表)は結論する。ロシア人は相手側に向かって常に譲歩を要求し、それが容れられない場合には交渉が進捗しない責任を相手側に転嫁させようと試みる。
ロシア人は実に忍耐強い。ロシア外交官は、何百回となく同一のことを繰り返して倦むことをしらない。彼らは、何事をなしとげるためにも時間というものがかかること、しかもたとえ時間をかけても成果があがらないことすら十分心得ている。
安倍首相は、プーチン大統領に対して「北方領土での日ロ共同経済活動」を提案したと噂される。これがもし実施されるならば、同領土の対日返還ではなく、その事実上の放棄に繋がる可能性のほうがより一層高い、と筆者は懸念する。(本書より)