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[BOOKデータベースより]
こんなすごい教育者がいた!「梅根の前に梅根なし、梅根の後にも梅根なし」と言われた教育界の巨人。その生涯をたどる決定版の評伝。
第1章 子ども時代の原風景
[日販商品データベースより]第2章 教職への道―二つの師範学校での学び
第3章 教育実践現場における教育研究
第4章 梅根が東京文理科大学で学んだこと
第5章 教育現場に身を置いての教育学研究
第6章 梅根にとっての戦後―中学校の校長を退職し、新教育運動のなかへ
第7章 東京文理科大学での研究と教育改革運動
第8章 ソビエトとチェコ・スロバキアへの教育視察、そして北朝鮮
第9章 実験大学の創設と模索
終章 晩年の梅根悟
梅根悟が代表作の一つ『世界教育史』(光文社)を発表したのは、1955年の秋だった。500頁を超える大著であり、定価は650円だったと記憶している。貧乏学生であった筆者にとっては決断を必要としたが、思いきって買い求めた。なぜなら、旧制大学で教育史研究の指導を受けていた恩師の力作だったからだ。
さて、本書では梅根の教育観を記していくわけだが、彼の生い立ちを知らずしてそれを語ることはできない。よって、「子ども時代」のことから「教育者になるまで」の過程を順を追って書いていくことにした。ただ、通常の評伝のスタイルからはやや逸脱している。梅根が書き上げた1300点を超える本や論文のなかには、エッセイ的な回想録などもたくさんある。本書では、それらを適宜引用する形で各時代を紹介していくことにしたのである。
この形式をとるのには重要な意味がある。それは、梅根が書いた文章の特性によるものである。とくに、読者対象が広いと想定される場合には、文体をはじめとして大いなる配慮がうかがえるのだ。50年も前に書かれたものとは思えない文章は、本が読まれなくなったと言われている現在の状況からしても非常に参考になる。「伝えたい」「理解してもらいたい」という梅根の配慮を意識しながら本書を読み進めていただき、「教育界の巨人」と言われたその生涯を辿っていただきたい。
最後に、旧制東京文理科大学(現・筑波大学)に提出した梅根の卒業論文に関するエピソードを紹介しておこう。彼の卒論を審査した篠原助市教授は、「梅根の前に梅根なし、梅根の後にも梅根なし」と評したという。学生の方々にとって、この言葉が目標となるのであれば筆者としてもうれしい。そして、ここに至るまでの梅根の努力、この言葉を篠原教授から引き出したその凄さを、本書から感じ取っていただければと願う。(なかの・あきら)