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講談社文芸文庫 つーE10
講談社 塚本邦雄
花は歌人を象徴する。晶子の蓮や牡丹、茂吉の苧環に通草、牧水の櫻、そして白秋の植物園的多彩性―“馬醉木”“椿”“菫”“罌粟”“薔薇”“勿忘草”“ジギタリス”花を愛し、本草学にも深く通じた博学の前衛歌人が、十数年の歳月をかけ分類・精選した二十四の詩歌庭園。古今東西の偉大な言語芸術から、真実の言葉を結晶させようと心血を注いだ名エッセイ。
馬醉木―花馬醉木風にかわきてうつしみは編目弛びし悲しみの籠椿―一人の刺客を措きてえらぶべき愛なくば水の底の椿菫―すみれ咲く或る日の展墓死はわれを未だ花婿のごとく拒まむ罌粟―罌粟播きてその赤き繪を標とせりはるけきわざはひを待つ家族薔薇―薔薇、胎兒、慾望その他幽閉しことごとく夜の塀そびえたつ勿忘草―少年の戀、かさねあふてのひらに光る忘れな草の種子など茴香―青春は一瞬にして髭けむるくちびるの端の茴香のoui!百合―ダマスクス生れの火夫がひと夜ねてかへる港の百合科植物ジギタリス―赤い旗のひるがへる野に根をおろし下から上へ咲くジギタリス泰山木―泰山木雪白の花ふふみたり青年を棄てて何を愛する燕子花―かきつばたこの夜男は亂闘に敗れたる衣胸に飾らむ海芋―花屋には海芋蒸れつつクー・デタァこころ戀ふわが皮膚呼吸梔子―くちなしの實煮る妹よ鏖殺ののちに来む世のはつなつのため紫陽花―人は幼き日より老いつつあぢさゐに晝たまゆらの〓とどまらずダリア―買手きまらぬ庭園の隅 贅肉のごとき白ダリアを放置せり朝鮮朝顏―棄てたる愛否や朝鮮朝顏のあたり明るむ七月の闇晝顏―不惑とてなに惑はざるひるがほのゆふべ咲きのこれる一つ花木槿―別離燦爛たるこの刻よ〓年の肘白妙の木槿にふれて夾竹桃―褪紅に霧ひ敗戦記念日をななめい立てり夾竹桃は合歡―ひる眠る水夫のために少年がそのまくらべにかざる花合歡蓮―わが修羅のかなた曇れる水のうへに紅き頭韻の花ひらく蓮曼珠沙華―いたみもて世界の外に佇つわれと紅き逆睫毛の曼珠沙華鳥兜―愛を病むものらなべてに鳥兜咲けり慄然たる濃むらさき桔梗―桔梗苦しこのにがみもて滿たしめむ男の世界全く昏れたり
前衛歌人にして豪腕アンソロジスト塚本邦雄が編んだ、愛する花花と古今の名歌を集めた異色のアンソロジー。大伴家持、和泉式部から松尾芭蕉、芥川龍之介に馬場あき子まで。ユキノシタ科のアジサイ、アヤメ科のカキツバタならぬ、虎耳草科の紫陽花、鳶尾科の燕子花を愛でる人々に贈る、至高至醇の詞華植物園。
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[BOOKデータベースより]
花は歌人を象徴する。晶子の蓮や牡丹、茂吉の苧環に通草、牧水の櫻、そして白秋の植物園的多彩性―“馬醉木”“椿”“菫”“罌粟”“薔薇”“勿忘草”“ジギタリス”花を愛し、本草学にも深く通じた博学の前衛歌人が、十数年の歳月をかけ分類・精選した二十四の詩歌庭園。古今東西の偉大な言語芸術から、真実の言葉を結晶させようと心血を注いだ名エッセイ。
馬醉木―花馬醉木風にかわきてうつしみは編目弛びし悲しみの籠
[日販商品データベースより]椿―一人の刺客を措きてえらぶべき愛なくば水の底の椿
菫―すみれ咲く或る日の展墓死はわれを未だ花婿のごとく拒まむ
罌粟―罌粟播きてその赤き繪を標とせりはるけきわざはひを待つ家族
薔薇―薔薇、胎兒、慾望その他幽閉しことごとく夜の塀そびえたつ
勿忘草―少年の戀、かさねあふてのひらに光る忘れな草の種子など
茴香―青春は一瞬にして髭けむるくちびるの端の茴香のoui!
百合―ダマスクス生れの火夫がひと夜ねてかへる港の百合科植物
ジギタリス―赤い旗のひるがへる野に根をおろし下から上へ咲くジギタリス
泰山木―泰山木雪白の花ふふみたり青年を棄てて何を愛する
燕子花―かきつばたこの夜男は亂闘に敗れたる衣胸に飾らむ
海芋―花屋には海芋蒸れつつクー・デタァこころ戀ふわが皮膚呼吸
梔子―くちなしの實煮る妹よ鏖殺ののちに来む世のはつなつのため
紫陽花―人は幼き日より老いつつあぢさゐに晝たまゆらの〓とどまらず
ダリア―買手きまらぬ庭園の隅 贅肉のごとき白ダリアを放置せり
朝鮮朝顏―棄てたる愛否や朝鮮朝顏のあたり明るむ七月の闇
晝顏―不惑とてなに惑はざるひるがほのゆふべ咲きのこれる一つ花
木槿―別離燦爛たるこの刻よ〓年の肘白妙の木槿にふれて
夾竹桃―褪紅に霧ひ敗戦記念日をななめい立てり夾竹桃は
合歡―ひる眠る水夫のために少年がそのまくらべにかざる花合歡
蓮―わが修羅のかなた曇れる水のうへに紅き頭韻の花ひらく蓮
曼珠沙華―いたみもて世界の外に佇つわれと紅き逆睫毛の曼珠沙華
鳥兜―愛を病むものらなべてに鳥兜咲けり慄然たる濃むらさき
桔梗―桔梗苦しこのにがみもて滿たしめむ男の世界全く昏れたり
前衛歌人にして豪腕アンソロジスト塚本邦雄が編んだ、愛する花花と古今の名歌を集めた異色のアンソロジー。大伴家持、和泉式部から松尾芭蕉、芥川龍之介に馬場あき子まで。ユキノシタ科のアジサイ、アヤメ科のカキツバタならぬ、虎耳草科の紫陽花、鳶尾科の燕子花を愛でる人々に贈る、至高至醇の詞華植物園。