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[BOOKデータベースより]
第1部 伝説の業界誌と、ライター事始め(かくて吾輩はフリーライターになりき;東京アドエージ、その終焉と「出版人」の始まり;東京アドエージの奇妙な社内と、忘れ得ぬ人々;『宣伝会議』と私の一九九五年;苦節二〇年?目に振り返る、原点の頃;岩本太郎の「非常な日常」前史)
[日販商品データベースより]第2部 炎上!一〇〇円ライターはつらいよ(連載打切、フジサンケイBi社員編集の狼狽;ゴーストライター秘(悲)話―発注元はなぜ支払から逃げるのか;『創』名物編集長との長い長い一件;「放懇」と『GALAC』;八ヶ岳山麓奇譚―白装束に会いに行く;赤坂見附の陽のもとに―あれから二年)
森達也氏絶賛!! 「ひりひりする。メディアなら歯を食いしばってでも名前を晒すべき。でもそれは痛い。つらい。申し訳ない。そして滑稽だ。ひとつだけ言えること。ここには『終わりかけたあの時代』がある」
1988年に盛岡の大学を卒業して、何のツテもないまま東京に出てきた岩本太郎はひょんな偶然から、当時赤坂にあった社長がコワオモテで有名な出版・広告業界誌を発行する会社に入社する。それが今日に至るまでの約30年に及ぶ記者稼業の始まりであった。その会社の名前は、東京アドエージ。聞くところによると、『噂の真相』を創刊した岡留安則も同社のOBだったという。その後も『宣伝会議』『創』『GALAC』などで活躍。そんな岩本太郎がマスコミ業界誌裏道渡世を暴露する!
岩本太郎いわく「私は評論家ではない。私は使い捨て100円ライターである」。
思えば私が業界誌の記者となったのは、日本社会がバブルの狂騒に湧き、溢れ返らんばかりの広告需要を背景に出版界でも新たな雑誌が次から次へ、ほぼ毎月のように創刊されていた時代だった。それがバブル崩壊に直面し、阪神・淡路大震災やオウム事件などで日本社会が曲がり角を迎えた頃にフリーライターとして独立したわけだが、それは同時にそれまでフリーライターという業種の主な存立基盤になっていた雑誌業界が崩壊へと向かい始めた時期でもあった。本書の中でも書いた通り、それはやがて私の仕事先となっていた雑誌でも原稿料支払いの悪化という形で顕在化し、代わって台頭してきたのがネットメディア、およびそこで活躍(?)する一円ライターたちだった。(「あとがき」より)