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[BOOKデータベースより]
母子で屋上から飛び降りようと思った日もあったけれど、重複障害のある娘が教えてくれた―生きることの意味。
プロローグ 千璃に会いに行こう
[日販商品データベースより]第1章 光のない毎日―屋上から千璃と一緒に飛び降りようと心を決めた。前を歩く人もいなくて、どこを向いて進めばよいのか、まったく分からなかった。
第2章 なぜ私のもとに―私は同級生を守ってあげられなかったことが恥ずかしく、そして悔しかった。何年もその思いが忘れられなかった。
第3章 離れた暮らし―今日まで毎日、母親の私がつきっきりで育てて来たのに。障害を持った娘を他人の手に託すなどということができるのだろうか。
第4章 再び、暗闇のなかで―思春期を迎えた千璃を、どこまで理解してあげられるだろうか。摩天楼のなかで、毎日が過ぎ去っていく。
第5章 トンネルの出口―私自身が、地球の裏の「駆け込み寺」のような存在になれたら、と思うようになった。そんなことも全部、千璃が教えてくれた。
第6章 伝えるということ―働く父と母の背中を見ながら、障害を持った姉と横に並び、ともに生きていく子供たちに、私は何を残していけるのだろうか。
エピローグ ポートレート
重い障害を持つ少女はこんなにも家族の宝物
2003年、元客室乗務員でニューヨークで仕事をしている著者のもとに生まれた千璃(せり)ちゃんは、目と鼻(鼻梁)がない重度の障害を持っていました。
見ることも話すこともできない娘への好奇の目や、無責任な批判にさらされて傷つき、自分たち両親がいなくなっても娘がなるべく周囲の手を借りずに生きていくためにどうしたらいいだろうかと悩み・・・
先の見えない苦悩の中で、著者はある日、屋上で、娘と一緒にここから飛び降りようと心に決めます。しかしアパートの部屋に戻り、えび反りになって大泣きしていると覚悟して開けたドアの向こうには、ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」の流れる中、「キャッキャッ」と笑う千璃ちゃんの姿がありました。
相模原で起きた障害者殺傷事件の容疑者の、「障害者は不幸を作ることしかできない」という言葉は間違っていると実証する、一家の14年の記録です。千璃ちゃんがこんなに素晴らしいメッセージを持って生まれて来てくれたことに感謝する、母から娘へのエンディングの言葉を涙なしには読むことができません。
【編集担当からのおすすめ情報】
障害のあるお子さんを持つ親が、これほど詳細に成長の課程を語った本は、今までなかったかもしれません。
千璃ちゃんが生まれたあと、著者の倉本さんは参考にできる人もいなくて、ずっとどうしたらいいかわからないトンネルの中にいたようだったと言います。
しかし、千璃ちゃんにたくさんの勇気をもらったから、同じ困難に向き合っている人たちに伝えたい、またそうでない人達に理解してもらうために伝えたいと思って書いたのがこの本です。
倉本さんの闘いは、たくさんの大事なことを思い出させてくれます。