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[BOOKデータベースより]
運慶作品を畏敬する日本彫刻史研究者が、「まなざし」から運慶の本質に迫る。それは、彫像の視線と、僧侶でもあった運慶自身の宗教者としての視点という二つのまなざしである。興福寺の無著・世親像や金剛峯寺の八大童子像をはじめ傑出した諸像を豊富な図版を参照しながら深く掘り下げて論じることで、その宗教的背景と霊性の内実、作品の「かたち」の力、そしてまなざしと深く関わる彫刻空間のあり方を明快に読みといていく。
序章 運慶の生きた時代
第1章 修行僧運慶と仏師運慶―救済者の自覚
第2章 運慶作品のまなざし
第3章 素材へのまなざし―カツラの特別な意義とは
第4章 運慶の新しさとは
第5章 運慶と鎌倉時代の彫刻空間
終章 「かたち」の力への信頼