[BOOKデータベースより]
5歳の時から、小学校にも通えず、血縁を養うために働き続けた高峰秀子。日本映画に名を刻む大女優が選んだ男は、名もなく貧しい青年だった。なぜ、女はこの男を選んだのか、この男の何を愛したのか―。追悼・松山善三。
「かあちゃんは小さい時から働いて、働いて…だからきっと神様が、可哀そうだと思って、とうちゃんみたいな人と逢わせてくれたんだね」
「とうちゃんはハンサムだからね」
「とうちゃんは子供の頃、あだ名が『キュウリ』だったんだって」
「僕はボーっとした子供で、頭も悪かった。いつも友達に苛められてましたよ」
「とうちゃんが子供の時、その頃はお醤油って量り売りだったから空き瓶を持って買いにいくんだけど、とうちゃんがお使いでお醤油を買って帰ってきたら、玄関でいきなりお父さんに殴られたんだって。洟を垂らしてるって。ひどいでしょ。でもとうちゃんは兄弟の中で一番偉くなって、お父さんに家を建ててあげたのよ」
「なんて素直な人だろうと思った」
「夢のようでしたよ」
「私みたいなノータリンでいいのかしらと思った」
「我慢の向こうには必ず笑いがある、幸せがある。必ず期待するものが見えるはずだと、僕は信じてます」
「土方やってでも養っていきます」〔ほか〕
当時まだ助監督だった松山善三を、日本映画に名を刻む大女優・高峰秀子はなぜ生涯の伴侶と定め、いかに愛したのか。ふたりの養女がともに暮らした眼で夫婦の愛の深さを綴る。松山善三没後再刊行。
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