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[BOOKデータベースより]
江戸中期、品川海岸沿いに神田から機械工などの職人が移り住んできた。やがて京浜大工業地帯へと広がるその発祥の地で、彼ら職人たちはそれぞれに専門分野を切り開き、ものづくりを続けてきた。その原動力は、脆弱な基盤しか持たない近代国家と自分たちを同一視する気概があったためである。そんな芝・金杉町の職人の暮らしぶりに光をあて、明治から続く職人の立ち居振る舞いを描き出す。
第1章 振り返ればそこに未来が見える(さまざまな集団が考え方を共有して作り上げるのが、職人の技;日本人が受け継いだ「ものづくりのDNA」があれば憂う必要はない ほか)
[日販商品データベースより]第2章 近代国家の骨組みを作り上げた職人たち(江戸後期、武士階級が貧しくなり、豪農、豪商が出てきた理由;江戸時代、神田は職人の町であり、工業の町として栄えてきた歴史をもつ ほか)
第3章 鍛冶屋から工場へ。機械装置師の誕生(明治四十三年、全国業者品評会で、最優秀金賞を受賞;芝の大火の後、太郎吉、腸チフスに倒れる ほか)
第4章 たばこが作った日本の近代文化の数々(江戸時代、たばこは、日本独自の文化を形作っていった;たばこ道具にも、職人の技術の粋と美意識が凝縮されていた ほか)
第5章 酒井家四百年と、ものづくりの源流(几帳面な性格で、太郎吉譲りの創意工夫が得意だった尚吉少年;関東震災後、尚吉は職人たちとともに工場の復興をめざした ほか)
江戸末期、神田から芝浦へ移り住んできた機械工たちの原動力は、脆弱な基盤の近代国家日本と自分たちを同一視する気概ひとつだった。職人たち、たばこ刻み機を発明するにいたる酒井家の人々を描いた青春群像劇。