[BOOKデータベースより]
「そのとき何を考えていたか覚えていなくとも、そのときそのときじぶんをつつんでいた時間の色あいは、後になればなるほど、じぶん自身の人生の色として、記憶のなかにますますあざやかになる。世界が色として現われてのこるのが、わたしたちが人生とよぶものの相ではないのだろうか。」「『灯りの下に自由ありき。灯りの下の自由は言葉なりき。』最初に手に入れた、首の曲がる、じぶんだけの電気スタンドの下で見つけてからずっと、いまも胸中にあるわが箴言です。」「雨にけぶるブルーグラスの州ケンタッキーの、静かでうつくしい街レキシントンのショッピング・モールで、金いろにかがやいてゆっくりと回ってゆくメリー・ゴー・ラウンドを見ていたとき、ふっと抱いた一瞬の思いを、いまもまだ鮮明に覚えている。人生とよばれるものは、一周するたびに一つずつ歳をとってゆく回転木馬のようなものだと。」場所と記憶、漢詩、アメリカ、ボブ・ディラン、クラシック音楽、猫や人との出会いと別れ…。詩人みずから最後に編んだ、この自選エッセー集は、晩年の仕事(Later Works)であるとともに、等身大の長田弘をよく伝える小さな一冊となっている。
1(幼年の色、人生の色;むかし、霧積温泉で;少年のじぶんに出会う場所 ほか)
2(ふみよむあかり;笑う詩人;市井ニテ珠玉ヲ懐クモノ ほか)
3(回転木馬のように;へそまがりの老人のこと;アメリカの旅の思い出 ほか)
4(はじまりは流浪の民;音楽で測る時間;時間の贈り物 ほか)
5(「ねこに未来はない」;猫と蕎麦;猫の言葉をまなぶ ほか)
場所と記憶、漢詩、アメリカ、ボブ・ディラン、クラシック音楽、猫や人との出会いと別れ…。詩人みずから最後に編んだ、自選エッセー集。晩年の38篇を収録。等身大の長田弘をよく伝える1冊。
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昨年5月75歳で亡くなった詩人が最後に編んだ自選エッセイ集。幼少時の記憶、漢詩の魅力、旅、クラシック音楽、猫など晩年の38篇