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- カントの時間論
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- 価格
- 1,012円(本体920円+税)
- 発行年月
- 2016年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062923620
[BOOKデータベースより]
時間に連関するすべての現象を取り込み、細部まで誠実に検討を重ねること。カントが「時間」探究において頑なに保持したのはこの姿勢であった。物体の運動を可能にする客観的時間が自我のあり方を決める時間であることをいかに精確に記述することができるのか。『純粋理性批判』全体に浸透している時間構成に関するカントの深い思索を読み解く。
序章 問題の提起
第1章 時間を構成する作用としての“われ思う”(超越論的統覚;私の現存在;私の身体)
第2章 時間の経験的実在性(1)―時間構成と物体構成(「内的感官の形式」としての時間;「純粋直観」としての時間;「運動の尺度」としての時間;超越論的時間規定;(経験的)主観的時間の問題)
第3章 時間の経験的実在性(2)―時間構成と自我構成(観念論論駁;自己規定;自己触発;二重触発について;過去・未来・現在の構成)
第4章 時間の超越論的観念性(理念としての時間(1)―第一アンチノミー;理念としての時間(2)―第三アンチノミー)
西洋哲学を通じて時間に関する思索は二つの異なった道をたどってきた。一つはアリストテレスに典型であるように、時間を外的物体の運動との連関で思索する道であり、もう一つはアウグスチヌスに典型であるように、時間を記憶や予期や知覚などの「こころ」のあり方との連関で思索する道である。カントの時間論にはこの二つの道が豊かに流れ込んでいる。客観的時間が「心」のあり方を決める時間であること、それをカントはめざした。
時間に関するすべての現象を取り込み、細部まで誠実に検討を重ねること。カントが「時間」探求において頑なに保持したのはこの姿勢であった。物体の運動を可能にする客観的時間が自我のあり方を決める時間であることをいかに精確に記述することができるのか。『純粋理性批判』全体に浸透している時間構成に関するカントの深い思索を読み解く。
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物体の運動を可能にするような客観的時間が私の「こころ」のあり方を決める時間である。『純粋理性批判』に時間論の構造を読む。