[BOOKデータベースより]
神話から哲学、そして宗教から科学へ。宇宙論が紆余曲折を経て科学となった歴史を描き出す!
第0章 序章
第1章 神話からコペルニクス的宇宙像へ
第2章 ニュートン的宇宙像の時代
第3章 現代宇宙論の成立
第4章 高温ビッグバン理論
第5章 新たな地平
古代メソポタミアの人々から現代の職業研究者まで、人類が自らの住む世界、つまり宇宙をどのように捉えてきたかを統一した視点から論じるユニークな本。宇宙論が紆余曲折を経て、科学となった歴史を描き出す。
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神話から哲学、そして宗教から科学へ。宇宙論が紆余曲折を経て科学となった歴史を描き出す!
第0章 序章
第1章 神話からコペルニクス的宇宙像へ
第2章 ニュートン的宇宙像の時代
第3章 現代宇宙論の成立
第4章 高温ビッグバン理論
第5章 新たな地平
古代メソポタミアの人々から現代の職業研究者まで、人類が自らの住む世界、つまり宇宙をどのように捉えてきたかを統一した視点から論じるユニークな本。宇宙論が紆余曲折を経て、科学となった歴史を描き出す。
本書は人類が自らの住む世界つまり宇宙をどのように捉えてきたかを統一した視点から論じるユニークな本である。宇宙全体を客観的対象と捉えて研究する学問を宇宙論と呼ぶ。すなわち本書が扱うテーマは古代メソポタミアの人々から現代の職業研究者まで数千年のタイムスケールで進化してきた宇宙論のいわば進化の歴史である。自らの目のみを観測装置としていた宇宙神話創生期の人々にとって宇宙を統べる法則は地上とは切り離され「理由」を考えることを拒みただそこに存在するものであった。時代とともに人々の思索は発展し宇宙の法則は生きる術としての生活規範からそれ自体を考える対象へと変わってゆく。実は宇宙論は意外なほど早い時代に神話と決別している。誤解されがちだが古代ギリシャをはじめとするこの時代の天文学観測は近代から見ても驚くべき精緻な体系を誇るまさに宇宙論そのものである。著者はとかく素朴で原始的とみなされがちなこの時代の宇宙論が当時としては最新の理論体系でありその意味で現代宇宙論の最先端と何ら遜色がないことを最初に強調する。自然哲学の成立の中で宇宙論はその位置づけを何度か変えつつ美しい天の理論が作られていった。しかし宇宙論の発展は決して単調ではなく極めて非線形かつ複雑である。キリスト教教義の浸透による停滞を経て神学宗教的教条との関係を最後まで引きずりつつも自然科学の成立の一部として宇宙論もその形を整えてきた。近代物理学の成立とともに宇宙論もついに科学として成立してゆく。銀河宇宙宇宙膨張という驚異の観測的発見と古典力学電磁気学統計力学相対論そして量子論までに至る物理学によって宇宙論は現代も驚くべき速さで発展している。しかしその流れの中で古代の神話に見られた観点の転換が何度も繰り返されている。本書には物理学の専門的解説も多く含まれるものの苦手な方はそれを読み飛ばしても十分読みごたえがある内容に仕上がっている。宇宙物理学に関わる研究者はもちろん天文学史に興味のある読者宇宙について素朴な疑問を持ち続けている一般の天文ファンの方々そして単純に宇宙と神話にロマンを感じるすべての方にお薦めする。