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- 二日月
-
- 価格
- 1,430円(本体1,300円+税)
- 発行年月
- 2015年11月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784882645375
[BOOKデータベースより]
あたしの妹、1歳の芽生。まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし。そういうことができるようになるかもわからない。だけど、芽生はあたしのそばにいる。あたしはいつも、芽生のそばにいる。
[日販商品データベースより]あたしの妹、1歳の芽生。まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし、そういうことができるようになるかもわからない。だけど、芽生はあたしのそばにいる。あたしはいつも、芽生のそばにいる。
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待望の赤ちゃんが産まれて、晴れてお姉ちゃんとなった、主人公の杏。お母さんとお父さん、それから妹の芽生といっしょにはじめて四人で撮った写真は、みんな笑顔で写ってる!それなのに、芽生が生まれて一ヶ月、お母さんもお父さんも、なんだか様子がおかしい。深刻になるのは、怖い。それでも杏は勇気を出して、芽生のことをたずねました。「芽生、病気なの?」「芽生は、長く生きられないかもしれない。障がいが出るだろうって、言われたんだ」ミルクがうまく飲めない芽生の体は、いつまでも細く、小さいまま。病気にもかかりやすくて、救急車を呼ぶこともしばしばです。それでも、ほんの少しずつでも芽生にできることが増えていくと、家族みんなで大喜び!芽生は、懸命に生きている。それなのに、家族を傷つけるものは、思ったよりもたくさんあって……鼻に管を通している芽生を見て、なんの気なしに発せられた「かわいそうに」という一言。長生きできないという前提で話すお医者さんの言葉。そして、なにより杏を傷つけたのは、心から妹を愛する反面、そんな妹を疎ましく思ったり恥ずかしく感じてしまう、自分自身の心でした。「迷惑をかけるから、養護学校に通えばいいのに」「迷惑だなんて思わない。でも、かわいそうだとは思う」「なりたくて障がい者になった人なんていないもんね」自分たちの学校に通う障がいを持った児童について、杏の友人たちが交わした言葉です。彼らの話を聞いて、杏はその意見のどれにも、なにかモヤモヤとした思いを抱きます。「あたしだって芽生のこと、かわいそうって思うことはある。でも、人に言われたくない。かわいそうなんて思われたくない」障がいを持って生まれるとはどういうことなのか。家族でそれを支え、共により良く生きるにはどうすればいいのか。大人でも答えを出すのはむずかしいそんな問題と、まだ小さな杏は、突然向き合うことになります。認めたくない自分自身の心の変化や、芽生を見る周りの目にとまどい、傷つきながらも、懸命に答えを探す杏。そんな杏といっしょになって、「人を思いやる」ということの本当の意味を考えさせてくれる、やさしい一冊です。ある日、杏は芽生と散歩に出たお母さんのあとを、こっそりつけていきます。そしてじっと足を止めたまま、19秒もの間、公園に入るのをためらってたたずむ、お母さんの姿を見つけます。そのあと公園で杏が聞いたのは、芽生に浴びせられた胸の裂けるような悲しいひとことでした。どうしてお母さんは、わざわざ傷つくとわかっていて公園におもむいたのでしょう?「よかったね、芽生、ママの子どもに生まれてきて」そのあまりにもやさしい決意の意味を知ったとき、お母さんが立ち止まったまま過ごした19秒の重みに、心ふるえずにはいられません。
(小説家 堀井拓馬)
障害者の生活介護施設で働いているから、このようなテーマは痛烈です。
障がいを持って産まれてきた赤ちゃんと、親はどの様に受けとめて来たのだろう、兄弟姉妹の思いはどうだったんだろう。
私が接しているのは学童であったり、成年だったりするので、幼少期のことは知りません。
でも、家族がいろいろな壁を乗り越えて、今が有るのだと思ったら、杏の家族が、家族として成長していく姿に感動しました。(ヒラP21さん 60代・千葉県 )
【情報提供・絵本ナビ】