[BOOKデータベースより]
師匠への手紙(詮ないこと;喉元に空いた穴;師匠、近頃いたずらしてませんか;真打トライアル;恋慕には参りました;三年経って…;独演会二百回;大物と天才;色川武大先生;思い出の場所;あとは墓前で)
カメラにかえて―あとがき
名人談志が逝って3年余。立川流はますます隆盛なり。立川談志に40年以上弟子として仕えた、作家でもある立川談四楼が綴る「師匠への手紙」と、橘蓮二による未公開写真で構成。
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本書の内容(本文より)
それにしても師匠、いい笑顔ですね。毒舌を一瞬にして相殺して余りある笑顔は昔から売りでしたが、それにしてもいい笑顔です。しかも柔和です。
入門してすぐ、笑顔のよさには気づきました。でもそれは普段怖いからこそ効く笑顔で、弟子にとって師匠、あなたは怖い存在であり続けました。そしてそれが師匠が病を得るまで続いたのです。
師匠と私とは十五歳違います。いまだに十五歳違いってのはネタですが、この年の差は親子ではなく、やはり兄弟でしょう。師匠はものすごく切れる長兄です。で弟達がゴロゴロいるわけですが、私はいずれゆっくり深い話ができると思っていました。年の想定は師匠が八十で私が六十五です。芸や生きるということについて、ちょっと突っ込んだ話ができると思っていたのです。しかしその夢が叶わないことは、三年前に実証されてしまいました。もっと懐に飛び込んでおけばよかったと言っても後の祭り、後悔先に立たずです。でまあご指名を受け、手紙のような形で話をさせてもらったわけですが、本当によかったと思い、感謝しています。蓮二さん、編集部にですが、やはり師匠、あなたにです。あなたがいてくれたからこそ弟子になり、こういう機会に恵まれたのです。