- 絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉
-
十九世紀
〈音楽の国ドイツ〉の系譜学 3
- 価格
- 2,860円(本体2,600円+税)
- 発行年月
- 2015年01月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784787273680
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[BOOKデータベースより]
十九世紀のドイツは、ベートーヴェンの交響曲とともに、ついに自他ともに認める“音楽の国”へと上り詰める。フランスやイタリアに対するドイツ音楽の「勝利」は、進歩主義的な歴史叙述や、器楽を絶対視する美学によって強固な理論的基盤を獲得する。しかし、国家統一をめぐる熾烈な覇権争いは、やがて“ドイツ音楽”の理念をも引き裂くことになる。「絶対音楽」をめぐって奏でられた鋭い不協和音のなかに、亀裂の入った“ドイツ”が発する軋みの音を聴き取る。
第1章 国民主義的音楽史の誕生―トリーストと十八世紀ドイツ音楽史(ヨーロッパにおける音楽史叙述の歴史;国民主義的音楽史叙述の成立 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 “フランス”の変貌(「ドイツ人」対「新ラテン系諸民族」―フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』;形而上学と「ドイツ的なもの」―シェリングの学問論 ほか)
第3章 進歩主義的音楽史観のなかの“ドイツ”(「ドイツ的」かつ「近代的」なものとしての和声;音楽美学の転回点としての一八〇〇年―ヘルダーの器楽擁護論 ほか)
第4章 「ベートーヴェン・パラダイム」―ベートーヴェンと「ドイツ的なもの」(ドイツの「国民文化」としてのベートーヴェンの交響曲;「抑圧者」としてのベートーヴェン ほか)
第5章 絶対音楽の美学と“ドイツ”の分裂―音楽美学に見る南北ドイツの文化闘争(「絶対音楽」の美学はどこまで「ドイツ的」なのか?;ハンスリックの音楽美学に見る“ドイツ”と“イタリア” ほか)
19世紀ドイツは、ついに自他ともに認める〈音楽の国〉へと上り詰めたが、国家統一をめぐる覇権争いは〈ドイツ音楽〉の理念をも引き裂くことになった。「絶対音楽」をめぐる不協和音から近代ドイツのナショナル・アイデンティティが孕む捻れを照射する。