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[BOOKデータベースより]
日本「帝国」が初めて本格的な植民地とした地域である台湾。その台湾における植民地支配に、近代の「学問」や「文化」はどのように関連していくのか。本書は、植民地台湾において人口数的にも社会的ポジションという観点からも、圧倒的なマイノリティであった台湾原住民をめぐる諸動向に焦点をあて、帝国の学知と思想が彼ら・彼女らをどのように表象し、それが植民地主義とどう接続していたのかを明らかにする。言説と統治の密接な関係を通して、日本「帝国」による植民地支配の思考に迫る。
第1章 戦争報道の中の台湾―台湾領有戦争と台湾原住民
第2章 台湾原住民教化政策としての「内地」観光―第一回「内地」観光(一八九七年)を中心に
第3章 植民地主義と歴史の表象―伊能嘉矩の調査実践と「台湾史」記述をめぐって
第4章 「帝国臣民」の外縁と「帝国」の学知―領台前期の台湾原住民をめぐる法学的言説の位相
第5章 台湾原住民の法的位置からみた原住民政策の展開
第6章 「五箇年計画理蕃事業」という暴力―「境界線」としての隘勇線
第7章 人間の「展示」と植民地表象―一九一二年拓殖博覧会を中心に
第8章 一九三〇年代の台湾原住民をめぐる統治実践と表象戦略―「原始芸術」という言説の展開
第9章 台湾国立公園と台湾原住民―植民地ツーリズムの展開と原住民表象
第10章 「原始芸術」言説と台湾原住民―「始まり」の語りと植民地主義