[BOOKデータベースより]
名著新生。文学と歴史の「失われた環」が、そこに残っている。漱石が、植民地「満洲」で果たしていた、知られざる使命。鴎外が、「うた」に隠した、戦場での真実と良心の疼き。異国語としての「日本語」を生き、抗った、数多くの作家たち。あくなき資料検証と、深い思索がひらいた、未踏の日本語文学史。
漱石・満洲・安重根―序論に代えて
漱石が見た東京
居心地の悪い旅のなかから
漱石の幸福感
それでも、人生の船は行く
国境
月に近い街にて―植民地朝鮮と日本の文学についての覚え書き
輪郭譚
洪水の記憶
風の影
漂流する国境―しぐさと歌のために
文学の歴史の「失われた環(ミッシングリンク)」が、そこに残っている
漱石が、植民地「満州」で果たしていた、知られざる使命
鴎外が、「うた」に隠した戦場での真実と良心の疼き
異国語としての「日本語」を生き、抗った、数多くの作家たち
あくなき資料検証と、深い思索がひらいた、未踏の日本語文学史
1998年初めに旧版『国境』を上梓したとき、自分にとって、このテーマはきりのない仕事になるのだろうな、と実感した。日本の旧植民地を背景として書かれた、たくさんの(そして、いまは大半が忘れられている)「日本語文学」と、そこに流れた精神史のかかわりを明らかにしたいと考え、手探りでこの作業に取り組みはじめたのは、まだ、1990年代の前半だった。(中略)『国境』の仕事を今度こそ本当に完結させるためには、さらに自分はここから何を書くべきか。足かけ20年ごしで、やっと、それが見えてきた。
これを実行したのが本書『国境[完全版]』である。(本書あとがきより)
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