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[BOOKデータベースより]
ファン・ゴッホは夢を見た。決して幸福とはいえない37年の短い生涯のなかで、たった一度だけ幸福な夢を見た。自分が「日本」に生きているという夢を。もっとも深く、もっとも強く、日本と結びついたファン・ゴッホの「日本主義」の全貌。
第1章 ユートピアとしての日本―幸福のありかを求めて
第2章 日本美術への開眼―ジャポネズリー
第3章 夢想の中の日本人
第4章 西洋の見た夢―空想の中の日本と東洋
第5章 神なき時代の信仰―「自然」と「日本」
第6章 追想のなかのユートピア―還流する夢
巻末資料
ゴッホが夢見た理想の国「日本」とは何か?
ファン・ゴッホは夢を見た。決して幸福とはいえない37年の短い生涯のなかで、たった一度だけ幸福な夢を見た。自分が「日本」に生きているという夢を(本書序文より)。
常に読者の人気が高い画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜90)。彼がポスト印象派の画家として活動した19世紀末には、「ジャポニスム(日本趣味)」がヨーロッパを席捲していました。その時代の流れに呼応するかのように、ゴッホもまた「日本」に対する関心を深め、「自分の仕事のすべては、日本美術を基礎としている」と述べるほどになりました。
しかしゴッホにとって「日本」とは、単に制作上の様式や技法の範囲の問題にとどまりませんでした。熱心な浮世絵研究などを通して、ゴッホは、自らの芸術上の理想郷を「日本」に見出し、自然観や芸術観、人生観にまで至る深い思索と理念を形成していったのです。
本書では、ゴッホが夢見た理想の国「日本」とは具体的にどのようなものだったのか、同時代の画家たちの活動や世紀末ヨーロッパのさまざまな芸術思潮との関係を踏まえつつ、数多くの作品と書簡を通して具体的に明らかにしていきます。美麗な図版満載の「読む画集」です。
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